2012年7月24日火曜日

イチロー、ヤンキースへ

今朝日本人にとってはなかなか衝撃的なニュースが飛び込んできました。
なんとイチローが名門ヤンキースへトレードされることが決まったのです。
そのトレードの内容はこちら

Ichiro Suzuki ⇔ D.J.Mitchell + Danny Farquhar + 金銭

今季のイチローは契約最終年でトレードされる可能性は大いにあったのですが、今のイチローの成績では大した選手はとれないであろうことから結局最後までマリナーズにいるのではないかと思っていたので、少し意外ではありましたね。
交換相手になった Mitchell は今季メジャーデビューを果たした25歳の右腕です。
マイナーではそこそこの成績でやってきましたが、残念ながら投球内容があまり良くなく、将来性はそれほど高くないでしょう。
もう一人の Farquhar は2011年にメジャーデビューした25歳右腕ですが、こちらもややイマイチな投手です。
しかし今季の彼はAAで高い奪三振率を記録しており、もしかしたら化ける可能性もあるかもしれません。
今までマイナーでも先発経験がないのでこれからもリリーフとしてやっていくことになるでしょう。

ご覧のとおりやはり大した投手は獲得できなかったわけですが、外野手には割と面白そうな若手がいるマリナーズとしては、それでもイチローの放出はやむをえなかったのかもしれません。
なんだか今季のユーキリスのトレードとややだぶる感じですね。

今後イチローがヤンキースでどのように貢献していくのか興味深いところではありますが、今日の試合で早速8ば番ライトで出場していましたね。
気になるのはスウィッシャーがどうなるのかということで、守備を考えればレフトにコンバートということになるのでしょうか。
スウィッシャーは対マリナーズ戦では離脱しているようですが、彼が戻ってきたときにどういう陣容になるのか少し気になりますね。

どういう形になろうとイチローにはヤンキースの優勝に大きく貢献してもらいたいですね。
日本のファンもきっとワールドシリーズでのイチローの姿を楽しみにしていることでしょう。

2012年7月22日日曜日

WBC問題

先日NPB選手会がWBC不参加を表明したことで話題になっているWBC問題ですが、私はどちらが悪いとか、出るべきと出ないべきとも思いません。
まずWBCの現状について考えてみると

日本ではやたらと「アメリカが66%で日本は13%しかない」というところが強調されているように感じます。
そこだけピックアップしてみるとどう考えても不平等です。しかし問題はこれがアメリカと日本という国と国ではなく、MLBとNPBという組織と組織の構図であるというところにあります。
WBCに出場している選手の半数はMLB所属選手で、NPB所属選手はその10分の1に過ぎません。アメリカやドミニカ、ベネズエラといった国はもちろん、日本にもメジャーリーガーが何人も出場していました。
つまりMLBに66%配分されていることはそれほどおかしくないのです。アメリカ代表に66%がいっているわけではなく、むしろNPBの選手の方が多くギャラを受け取っているわけですから。

マスコミはここを話題にしていますが、実際のところNPB選手会が強く問題にしているのはスポンサー権などについての方です。
スポンサー権には大会スポンサーと代表スポンサーの二種類があり、大会スポンサーの方は文字通りWBCという大会自体に対するスポンサーなので主催者側であるMLBに行くのは問題ありません。
もう一つの代表スポンサーは国の代表につくスポンサーであり、これをMLBに吸い上げられるのがNPB選手会は納得がいかないわけです。
よく引き合いに出されるのがサッカーのW杯で、W杯(他のスポーツ)では代表スポンサーが認められているのだからWBCでは認めないのはおかしいということです。
しかし第3者機関であるFIFAが運営しているW杯とMLBが主催しているWBCとを同じに考えることはできません。
前述したように日本代表はあくまで日本人の代表であってNPB代表ではないわけです。イチローや松坂といったMLB選手も出場しており、勝利に貢献したいたことから、日本代表の価値=NPBの価値とするのは難しいです。
こちらはMLB側の主張で、「日本代表の価値にはMLB選手(イチローなど)なども貢献している」というわけです。

ここまで考えるとどちらの主張も間違っていないように思えます。
そもそも日本でよく言われる、「日本がMLBの金儲けにつきあう必要はない」という主張には少し疑問を感じます。
年間70億ドルを稼ぎ出すMLBがWBCでの利益1800万ドルのためにそこまで躍起になるでしょうか?
MLBにとっては商業的なメリットはほとんどない大会で、10年以上かけて野球の国際的な発展のためにこの大会を実現させたわけです。
実際に収益を欧州やオーストラリアリーグといった野球後進国の発展のために使うという名目を掲げています。
MLB選手を派遣するための保険金など(もちろん日本メジャーリーガーも含めて)を考えた場合、MLB側にお金が入らないと各球団にMLB選手を派遣させられません。
ドミニカやベネズエラのように野球が強くても貧しい国もあり、こういった国のためにもMLBは援助をしているわけですから、日本の主張は国際的な観点からすると自国の利益のために主催者ともめているように映ってしまうのが現状です。

今回の件に悪者は存在しません。
どちらも問題を抱えており、どちらも正義を主張するために折り合いがつかなくなっているだけです。
日本にいればMLB側が一方的に悪いという風になっていますが、こういった事情も踏まえて考えていただきたいです。