2013年5月29日水曜日

データで見る安定感のある先発投手ランキング

先発投手の安定感を表す指標にQS(クオリティ・スタート)というものがある。
近年日本でもその存在を知られており、徐々に浸透しつつあるものだ。
先発投手が6回を自責点3以内に収めることができればQSがつき、アメリカではQSを達成しながらも敗北した場合は”タフ・ロス”、QSを達成できなかったにもかかわらず勝利投手になると”チープ・ウィン”と呼ばれる。
例えば批判されがちな松坂の2008年のQS率はわずか48%にすぎず、どれだけチープ・ウィンが多かったのかということがよくわかる。
もちろんQSは他の指標と同じく完璧とは言い難いが、今回は安定感のみをピックアップするためそこには触れないでおく。
その代わり安定感という言葉には不可欠な制球力も含めて投手たちのデータを見ていこう。

1.パトリック・コルビン
QS率 100%  与四球率 2.63
まだ二年目の若い投手なので聞き慣れないファンも多いだろうが、彼は現在MLBで最もホットな左腕の一人だ。
特別なボールを持っているわけではないが、独特のフォームと安定した制球力でここまでQS100%を保っている。
しかも3失点したのすら1度だけで、今季最も崩れない投手だと言っていいだろう。

2. アダム・ウィンライト
QS率 91% 与四球率 0.68
QS率100%という完璧な数字が出ていたためコルビンを上にしたが、ウェインライトの安定感は飛び抜けている。
今季はトミー・ジョン手術からの復帰二年目となったウェインライトだが、彼はさらに洗練されて帰ってきた。
とにかく制球力がずば抜けており、開幕から4試合連続で無四球試合を達成していた。
なおかつはまった日には全く手がつけられず既に2完封している。
この活躍ぶりは数年前のクリフ・リーを彷彿とさせるものだ。
ライバルたちも手ごわいがサイ・ヤング賞の有力候補だと考えていいだろう。

3.ジョーダン・ジマーマン
QS率 90% 与四球率 1.10
活躍し始めた2011年からすでに制球力はリーグでも屈指のものだったが、年々洗練されてきている。
積極的にゾーンで勝負するため奪三振も少なく、打たせてとることに長けており、今季は10先発中8試合で7回以上投げている。
とにかく球数が少ないことが特徴で、それだけのイニング数を投げながらも100球越えは4回のみで、なおかつ最も投げた試合でも107球だった。
4月26日の試合では91球で完封するなど、その投球スタイルはマダックスやハラデイが理想とするものに近い。
長いイニングをなげられるため勝ち星もつきやすく、8勝はリーグ最多タイだ。
スタミナ面に問題がでなければ最多勝の有力候補になるだろう。

4.クリフ・リー
QS率 82% 与四球率 1.45
MLBで最も制球のいい投手と言えば多くのファンがクリフ・リーの名を挙げるだろうが、今もその実力に陰りはない。
昨季はあまりにも勝ち運に恵まれなかったが相変わらずの優れた投球内容で、今季は球速が低下し奪三振率が大幅に落ちたもののパフォーマンスには大きな影響が出ていない。
MLB最高の技巧派投手はまだまだやれるだろう。

5.クリス・セール
QS率 89% 与四球率 2.11
昨年先発転向に成功し、既にチームのエースになっているセールは今季も順調だ。
安定感が向上し、8失点と大炎上してしまった1試合を除くと残りの試合すべてで7回以上を投げており、イニング数を稼ぐことに成功している。
7回を安定して100球前後で投げきることができるし、無駄な四球を出すことも少なくなった。
さらに対左打者ではほぼ無敵状態で、被OPS.197とそのフォームを完璧に活かしている。



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