2013年6月6日木曜日

遅れてきた有望株ドモニク・ブラウン

今季若い投手たちの活躍が目立つ中で、打者にも本塁打を量産して急激に注目度が上がっている選手がいる。
フィリーズの25歳の外野手ドモニク・ブラウンだ。
彼は2006年のドラフトで20巡目(全体607位)という決して高くはない評価でフィリーズに入団する。
そこからマイナーで順調に結果を残していき、2009年にはOPS.880の活躍でマイナーでも屈指の有望株という評価を手にする。
フィリーズがハラデイをトレードで獲得する際にブルージェイズ側からブラウンを交換要員として要求されたものの断固拒否したというエピソードもあるフィリーズの”お気に入り”だった。
2010年はさらにレベルアップしマイナーで打率.327 20本塁打 17盗塁 OPS.980という活躍をみせ、有望株ランキングでもマイナー全体でトップ5に入るほどの期待度になる。
この年のオフにはジェイソン・ワースがチームを去るが、これはブラウンの台頭が予想されたことでワースの穴を埋められると考えられたからである。
これほど期待されていたブラウンだが、初のメジャーデビューイヤーとなった2010年は初本塁打こそ放ったもののその実力を出せないまま終わった。
2011年はワースが抜けたライトにブラウンが収まるかと思われていたが、思うような結果をのこせずメジャーではわずか56試合の出場に終わる。
マイナーではそれなりの好成績を残していたのだが、このあたりで彼はメジャーではあまり活躍できないタイプなのではないかという危惧もただよいだした。
そして流石にメジャーに定着しなくてはいけない2012年にもメジャーではわずか56試合の出場に終わり、マイナーでより多くの時間を過ごした。
これによって彼は忘れられた有望株となりかけていたのだ。

しかし今季、それまでの停滞感を払拭する本塁打量産体制に入っている。
ここまでの成績は59試合で打率.284 出塁率.320 18本塁打 44打点 OPS.906で、あらゆる面でキャリアハイを更新している。
18本塁打はリーグ1位で、5月にはいって始まったその勢いは未だ衰えてはいない。
四球が少ないという課題やこのペースが最後まで続く可能性は低いという問題もあるが、彼が今季大ブレイクを迎えているのは間違いないだろう。
期待されながら数年間はその力を発揮できなかった選手といえば現役ではアレックス・ゴードンがいるが、彼は今ではリーグ有数の外野手となり、特にレフトの守備はMLBでも最高峰のものになっている。
25歳にして開化したブラウンもここからリーグ有数の外野手になるのか楽しみだ。
 

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