2013年7月9日火曜日

長期大型契約の経過

長期大型契約というと現在ではだいたい5年以上総額1億ドル以上の契約をさす。
言うまでもなくそのメリットは主力を長期間軸として据えると同時に、うまくいけばお買い得になる可能性もあるという点だ。
しかし当然そこには大きなリスクも孕んでいる。
長期における怪我をしてしまえばその契約に対する評価は地に落ちるし、球団にとっての損失も大きい。
さらに長期大型契約を何人も抱えてしまうとぜいたく税から逃れられなくなったり、他のポジションの補強への大きな弊害へとなってしまうことも少なくない。
今回はそんな大型契約選手の途中経過をいくつか見ていこう。

アルバート・プホルス(エンジェルス) 10年2.5億ドル ~2021
プホルスは、この現役最高クラスの超大型契約を既に全盛期がすぎた状態で結んだ。
おそらくエンジェルスの考えとしては、最初の5年程今まで通りの活躍を見せてくれればその後は多少衰えても問題ないと見込んでいたのだろう。
しかし移籍一年目で早くも不振に陥り、後半息を吹き返したもののの最終的なスタッツはキャリアワースト。
さらに二年目の今季も考えられないくらい成績を落としており、未だ復調の気配は見えない。
このまま続くのであればA・ロッド以上の史上最悪の大型契約になる可能性すらある。

ジョーイ・ボットー(レッズ) 10年2.25億ドル ~2023
決して金満とは言えないレッズがボットーをフランチャイズプレイヤーとして引退させると決意したのは昨年のこと。
既にあった契約と合わせて2023年までの超長期契約となっている。
昨年は怪我をしてしまったが成績自体はMVP級のもので、今季もオールスター投票で選出されるなどMVP級のシーズンを送っている。
今のところ危険な兆候は見えないが、ここまで長期になってくるとどうなるのか全く予想がつかない。

アルフォンゾ・ソリアーノ(カブス) 8年1.36億ドル ~2014
A・ロッド、ウェルズと並ぶ不良債権の代表格。
もう契約も終盤まできており、本塁打だけみればそこまで悪くないようにも思えるのだがこの期間中一度もOPS.900を超えたことがなく、30本以上を記録したのも2度だけとなればやはり契約に見合った活躍をしているとは言い難い。
特に出塁率MLB平均か平均にも達していない年があるのは現代のMLBでは痛い。
これからもしばらくは不良債権の代名詞的存在として語り継がれるだろう。

 トロイ・トゥロウィツキー(ロッキーズ) 10年1.57億ドル ~2020
間違いなく現役最高の遊撃手であり、その攻守における能力の高さはMLB史上でも有数だ。
しかし怪我が多いというこの一点が彼の評価を難しくしている。
この契約も彼が試合にでさえすればお買い得になった可能性が高いが、2012年は47試合にしか出場しておらず今季もDL入りで離脱している。
しかし平均120試合程度に出られればこの契約は成功にカテゴリされるだろう。
それくらい彼は試合に出た時のパフォーマンスが高い。

 プリンス・フィルダー(タイガース) 9年2.14億ドル ~2020
ア・リーグ一年目の昨季は非常に安定した活躍でミギーの三冠王をアシストした。
しかし本塁打数自体は減ってきており、今季のパフォーマンスもブルワーズ時代のものと比べると見劣りする。
守備貢献度が非常に低いだけに、彼に求められる出塁能力と長打力の二つでもっと力を発揮しないと晩年が不安になる。
OPS.850をきる年がでてくるようだと黄色信号だろう。

ミゲル・カブレラ(タイガース) 8年1.9億ドル ~2015
彼に関しては文句のあるファンはいないだろう。
守備・走塁の貢献度は低いがもはやそんなことはどうでもいい。
この長期契約も大成功で終わるはずだ。

エイドリアン・ゴンザレス(ドジャース) 7年1.54億ドル ~2018
昨季は契約二年目にしてトレードの憂き目にあったが、彼のパフォーマンスは安定しているようにみえてやや低調だ。
特に彼はペトコ・パークで40本塁打も記録したという経歴から長打力が非常に期待されていたのだが、近年は年々本塁打数が減ってきている。
せめてOPS.900くらいの活躍は数年やってほしいところだが、今のところはやや微妙になりつつある。







0 件のコメント:

コメントを投稿