2013年12月27日金曜日

マリナーズ 2014年優勝するために必要なのは?

エルズベリー、マッキャン、ベルトランといったFA市場の目玉野手を揃って獲得したヤンキースと並んでこのオフの主役となっているマリナーズ。
しかしスターがおらずとも的確な補強で強いチームを作り上げるアスレチックス、弱点を見事補強したレンジャーズなどが揃うア・リーグ西地区は東地区に次ぐ激戦区であり、補強したマリナーズでもこの中で優勝を勝ち取るのはまだまだ難しい。
今回はマリナーズが優勝するために補強すべきポイントを探していこう。

”野手”
カノーを獲得したことで文句なしの主軸を手に入れることに成功し、打線の核は出来上がった。
また新たに獲得した30本級のパワーを持つハートと2年連続20本塁打以上でさらなる成長も期待できるシーガーでカノーをサポートすることができる。
しかし問題は彼らに続く打者、あるいは彼らの前に出塁する打者がいないことだ。
シアトルにやってきてからなんだかんだで毎年15本以上打っているスモークは毎年期待を裏切っているし、スピードとパワーを兼ね備えているはずのソーンダースも低打率に喘いでいる。
全米2位のアックリーもいつまだたってもブレイクしてくれず、再契約したグティエレスは毎年怪我でまともに試合に出られない。
当然ズニーノ、フランクリン、ミラーの2年目組には過度な期待は禁物だ。

要するに主軸は見栄えのいいものが揃ってもそれ以外で一定の活躍を期待できる選手が少ないのがこのチームの打線の最大の欠点なのだ。
せめて出塁能力が高くスピードもある選手を1,2番に置くことができれば話は変わってくるのだが、アックリー、ソーンダース、フランクリン、ミラーのうち誰かがブレイクしない限りは難しいだろう。
若手が多いチームの常で、本来計算できないはずの実績が少ない選手をレギュラーとして多く起用する以上、若手のブレイク頼りとなってしまう側面が強い。
彼らがブレイクせずにここまで引きずってきたのが昨年までのマリナーズやロイヤルズで、2013年のロイヤルズはある程度実績ある選手を複数加えることで躍進を遂げた。
マリナーズも補強はしているが、来季優勝を見据えるためには少なくとも得点力を平均以上に持ってこなければレンジャーズやアスレチックスには競り勝てない。
そのためには若手のブレイクには過度な期待をせずにさらなる補強をする必要があるが、現在FA市場に残っている有望な野手はネルソン・クルーズくらいしかおらず、彼にしても薬物で出場停止になった地雷物件だ。
年齢的にも若くなく手を出すのは危険ため、結局のところ現実的に考えれば現状の戦力で若手のブレイクに期待するしかない。
若手が数人好成績を残せばリーグ上位の得点力になるだろうが、現状のままではせいぜい平均レベルの打線にすぎない。


”投手”
打線よりも重要なのがこの投手の方だ。
マリナーズの本拠地セーフコ・フィールドはリーグ有数のピッチャーズパークとして知られている。
昨オフに改修工事が入りフェンスの位置が変わったことで多少改善はされ、マリナーズ打線はリーグ2位の本塁打数を叩きだした。
しかしパークファクターで見ても相変わらず投手に有利で(本塁打もやはり出にくい)、地理的な湿度の問題でボールが飛びにくい以上この傾向は今後もあまり変わらないだろう。
本拠地がピッチャーズパークである以上、本拠地の特性に逆らわぬチーム作りをする方がいいのだが、マリナーズは投手力に大きな問題がある。

まずは先発ローテーションだが、ヘルナンデスと岩隈という2大エースは好調なら共にサイ・ヤング賞争いができるほどの力がある。
問題は3番手以降一気に実力が落ちることで、現時点では残り3枠はラミレス、パクストン、ウォーカーが担う可能性が高い。
しかし怪我がなければある程度が見込めるラミレスはともかくパクストンとウォーカーはまだローテーションの軸として計算するには実績がなさすぎる。
ウォーカーはサイ・ヤング賞級のポテンシャルを持っているためブレイクすればそれこそ新人王を狙えるだろうがパクストンとともにまだメジャーでは未知数な面が大きいため戦力として計算するには心もとない。
マイナーには両選手とともに3羽ガラスと評されたドラフト全体2位のハルツェンも控えており、来季にはメジャーデビューするだろう。
しかし計算できないことには変わりなく上位進出のためには少なくとも3番手までは実績ある投手で固めておく必要がある。
幸いにもFA市場には有力な先発投手が数多く残っている。
サンタナ、ガーザ、ヒメネスはいずれも3番手としては十分すぎる実力を持っており、当然獲得にはかなりの資金が必要になる。
特にガーザは獲得してもドラフト権を失う必要がないため狙っている球団はかなり多いはずだ。
多くの有力球団が田中のポスティングに注目している今は彼らを獲得する大きなチャンスであり、1人獲得できれば優勝の可能性も大きく跳ね上がる。
あるいはトレードの噂が絶えないプライスをハルツェン、パクストンなどのプロスペクトを駒にして獲得するという手も有力だ。
ウォーカーだけは是非とも手元に残しておきたいところだがそれ以外ならある程度までは放出しても問題ない。
いずれにしても有力な先発投手をもう一人獲得することは必須で、これができなければマリナーズは西地区の3番手止まりになってしまう可能性が高い。

リリーフも穴はあるが先発よりはまだマシで、今季終盤にクローザーになったファークァーや途中までクローザーだったウィルヘルムセン、左のファーブッシュ、1年目にして結果を残したメディナはまではある程度計算できる。
ただ先発が盤石ではない以上リリーフには信頼できる投手が5人は欲しいところ。
その5人目として有力なのが剛球投手のプライアーで、制球さえある程度まとまれば一気にブレイクしてくる可能性が高い。
とは言え、それでも完璧とは程遠いのは間違いないため少しばかりの補強はする必要がある。
安価でとれるのならオリオールズと契約にこぎつけながらメディカルチェックで引っかかったバルフォアやオリオールズ移籍後思うような結果を残せなかったK-RODといったキワモノに手をだしていみるのもいいかもしれない。
しかし先発ローテ補強の方が急務であり、そちらが補強できれば余剰人員をリリーフに回すこともできる。
あくまでリリーフ強化はセカンドオプションだ。


”総括”
結局のところ大きな補強をしたとは言え一気に優勝候補と言われるだけのチームにはまだなれていない。
本拠地の特性を考えれば投手力強化が最優先で、優勝候補になるためには有力な先発投手獲得が必要な状態だ。
面白い若手が複数いるため彼らがブレイクしてくれるのであれば面白いが今後の動向次第ではトレードの駒になる選手も出てくるかもしれない。
個人的に今後マリナーズが獲得すべき選手だと思うのはサンタナ、K-RODの二人だが、プライスを獲得できるのならその方がいいだろう。



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