2013年12月10日火曜日

ロイ・ハラデイ引退 3監督が殿堂入り

2000年代最高の投手の一人ロイ・ハラデイが引退を表明した。
36歳と引退するにはまだ早いようにも思えるが、2013年は防御率6.82、自慢の制球力もBB/9が5.23にまで落ち込むなどパフォーマンスの低下は明らかだった。
ブルージェイズでキャリアをスタートさせたハラデイは1998年にメジャーデビュー。
2002年には19勝を記録して一気に名を上げ、翌03年には22勝で最多勝も獲得し初のサイ・ヤング賞も受賞した。
その後怪我もありながら2006年から6年連続220イニング以上を記録するなどMLB最高のイニングイーターとして活躍し、フィリーズへ移籍した2010年には21勝で再び最多勝とサイ・ヤング賞を獲得した。
16年のキャリアで積み上げた成績は203勝105敗 防御率3.38 2749.1回 2117奪三振 67完投 20完封 WHIP1.18と超一流。
獲得したタイトルは最多勝2回 サイ・ヤング賞2回 オールスター8度と一時代を築き上げた投手でもあった。
彼の優れた点は、分業制がしっかりしており球数制限もあるMLBにおいて飛びぬけた完投数を誇ったことやキャリア中盤までを強豪揃いのア・リーグ東地区において過ごした点だ。
2000年代後半は間違いないくMLB最高の先発投手であり、時代を代表する選手の一人だったと言える。
残念ながらギリギリ200勝と勝数が少ないため投票による殿堂入りは難しそうだが、これ以上晩節を汚さずに引退するという決断はプロフェッショナルに徹していたハラデイらしい。
彼はキャリアの多くを過ごしたトロント・ブルージェイズと1日契約を交わし、最後をブルージェイズの選手として終える予定だ。




ハラデイ引退と同時にもう一つ大きなニュースがあった。
それがトニー・ラルーサ、ボビー・コックス、ジョー・トーリの3監督の殿堂入りだ。
ラルーサは2728勝2365敗で勝利数歴代3位、コックスは2504勝2001敗で歴代4位、2326勝1997敗で歴代5位といずれもMLB史に名を残す名将揃い。
1月には選手の殿堂入りも発表されるが、グレッグ・マダックスとトム・グラビンが選出されコックスとブレーブス勢3人同時殿堂入りができるか注目だ。

4 件のコメント:

  1. ハラデイの引退は本当に残念です。
    21世紀に入ってからMLBで最高の投手ですし、奪三振や与四球、完投、コマンドなど全てにおいて優れた投手でした。
    近年の投手分業制を考慮すると殿堂入りに値する成績だと思いますが、やはり殿堂入りは難しいでしょうか・・・。
    サンディー・コーファックス並に圧倒的ではないものの、21世紀では目を見張る成績だと思います。

    ドク、お疲れ様!

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    1. コメントありがとうございます。
      思ったより早い引退に正直驚きましたが、この潔さには感服します。
      通算成績は過去のトッププレイヤーたちと比べると飛びぬけたものではありませんが、近年では最も優れた投手であったことは間違いなく、いつかベテランズ委員会に救済してもらえればなと思います。

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  2.  ロイ・ハラディ投手が引退という報を聞き、かなり驚きました。確かに昨年は今一つで今年は不調と言える成績でしたが、どんな投手でも不調の年はあるものであり、たまたま2013年が彼にとって「悪いシーズン」だったのだろうと思っていたからです。

     ハラディは最近の大リーグでは珍しくなった「完投志向」のエース投手であり(リリーフ投手に交代させられそうになると監督をにらみつけたこともあったそうである)、往年の大投手たちからも高い評価を得ていました。監督にとってはもっとも安心して送り出せる先発投手だったのではないかと思います。
     これほどの大投手でありながらワールドシリーズと無縁で終わったことは残念でなりません。ブルージェイズ時代はチーム力が整わず、フィリーズでもあと一歩届かなかった。ドン・ラーセン以来のポストシーズンでの無安打無得点を達成するなど力は見せていただけに、巡り合わせが悪かったと感じます。

     成績から見て殿堂入りは苦しいとも言われていますが、近年では最高の投手の一人であったことは間違いありません。ものすごい投手でした。

     最後は一日契約でブルージェイズの選手として終わるそうですね。アメリカのプロスポーツでは名選手に敬意を払う意味もあって「一日契約」というのはしばしば見かけます。まさに形式だけといえばその通りですが、私は悪くないことだと思います。
     ハラディにとってはやはりブルージェイズ時代が一番思い出深いものだったのでしょうね(選手としてすごかったのはやはりこの時代であろう)。球団サイドも「出ていった裏切り者」扱いしないところが、素晴らしい態度だと思います。

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    1. コメントありがとうございます。
      近年のMLBでは非常に珍しい完投型投手だっただけに本当に惜しい選手の引退です。
      「リリーフは勝ちを拾ってなどくれない」という彼の思想はすべての先発投手が教訓にすべきものだと思います。
      どれだけ球数を抑えて完投するかという理想系だったわけですからね。
      一日契約に関しては日本でも取り入れていいのではないかといういい風習ですよね。
      偉大な選手だからこそチームを出て行ったら最後は長年過ごしたチームでキャリアを終えてほしいという本人や球団、ファンの願いがしっかり反映されています。
      FA後も元いた球団と良好な関係を築けているケースが多いのは、FAをビジネスとして捉えられているアメリカならではなのかもしれません。

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