2014年3月31日月曜日

2014年サイ・ヤング賞候補10傑〈ナ・リーグ編〉

今回はナ・リーグ編。
◯はポジティブな要素、☓はネガティブな要素、△はどちらにもなり得る要素だ。


クレイトン・カーショウ(26)―ドジャース
◯ここ数年の実績はMLBでも最高クラス。
◯打線の援護は昨季より増える可能性が高い。
◯本拠地が投手有利。
△投手史上最高の契約によるプレッシャー。
☓DL入りしたため登板数が減る。
☓スプリングトレーニングでは不調に陥った。


ホゼ・フェルナンデス(21)―マーリンズ
◯昨季終盤はほとんど敵なしのハイパフォーマンスだった。
◯打線の援護は増えそう。
△2年目で研究されるか、さらに進化するか。
☓まだ実績不足。
☓チームの方針次第ではイニング制限が出てくるかもしれない。


アダム・ウェインライト(32)―カージナルス
◯スプリングトレーニングでは好調を維持。
◯非常に制球力がいいため安定感がある。
◯リリーフが強力で勝ちを失う機会は少なそう。
◯捕手は最高の守備力を持つヤディアー・モリーナ。


ザック・グレインキー(30)―ドジャース
◯制球がよく安定感がある。
◯本拠地が投手有利。
☓昨季は奪三振率が低下。
☓スプリングトレーニングでは怪我もあって不調。
☓同僚のカーショウに票を持っていかれる可能性がある。
☓ささいなことで怪我をする危うさがある。


マディソン・バンガーナー(24)―ジャイアンツ
◯制球がよく安定感がある。
◯本拠地が投手有利。
◯スプリングトレーニングでは好調を維持。
◯実績・年齢的にさらなる進化を望める。
☓打線の援護はあまり多くは望めない。


スティーブン・ストラスバーグ(25)―ナショナルズ
◯スプリングトレーニングでは好調を維持。
◯フルシーズン出場すれば奪三振王の有力候補になる。
◯打線の援護も見込める。
☓怪我の可能性が常につきまとう。
☓未だ200イニングに到達したことがない。


ジョーダン・ジマーマン(27)―ナショナルズ
◯制球がよく安定感がある。
◯打線の援護も見込める。
◯スプリングトレーニングでは圧倒的なパフォーマンス。
☓奪三振に関しては他の候補とくらべて劣る。


クリフ・リー(35)―フィリーズ
◯制球がよく安定感がある。
◯実績は圧倒的。
☓チームが弱体化してから打線の援護に恵まれていない。
☓年齢的な衰えの可能性も。


マット・レイトス(26)―レッズ
◯打線の援護が見込める。
☓DL入りしており、スタートは出遅れ。
☓本拠地は投手に不利。


ゲリット・コール(23)―パイレーツ
◯抜群の球威と制球力を両立させている。
◯昨季後半から奪三振力が向上。
☓スプリングトレーニングでは不調。
☓打線の援護はそれほど望めない。
☓実績は乏しく今季はフルシーズン1年目。


2014年3月29日土曜日

田中将大のスプリングトレーニングまとめ

MLB1年目田中のスプリングトレーニングでの登板が終了したということで、彼のここまでの活躍をまとめてみたいと思う。

3/1 vsフィリーズ
2.0回 2安打 0本塁打 3奪三振 0四球 0失点

3/6 vsフィリーズ
3.0回 2安打 1本塁打 1奪三振 0四球 1失点

3/16 vsブレーブス
4.1回 3安打 0本塁打 6奪三振 2四球 1失点

3/22 vsツインズ
5.2回 5安打 0本塁打 6奪三振 1四球 3失点

3/28 vsマーリンズ
6.0回 3安打 0本塁打 10奪三振 0四球 0失点


スプリングトレーニング成績
5試合(3先発) 2勝0敗 防御率2.14 21.0回 15安打 1本塁打 26奪三振 3四球 WHIP0.86 

5試合に登板し、最後の試合では黒田が先発し3回を完封、その後を受けた田中が残り6回を完封という日本人リレーで完璧に締めくくったわけだが、はっきり言ってこのスプリングトレーニングにおける田中のパフォーマンスは期待以上だったと言っていいだろう。
ただ単に結果がよかっただけではなく投球内容自体が非常にハイレベルだ。
特に驚嘆するのは制球力の高さと三振を奪う能力だ。
日本人投手の中にはボールやマウンドの違いから渡米後に制球力が落ちるケースがいくつか見られたが、田中に関しては現時点でその兆候はなく、しっかりとストライクゾーンで勝負することができている。
またスプリッターが効果的で三振を奪うことができているという点も間違いないだろう。
もちろんスプリングトレーニングでの成績は参考程度でしかない。
今後はスプリングトレーニングとは違いもっと長いイニングを投げ、メジャークラスが並ぶ打線と対戦することになる。
またニューヨークのメディアのプレッシャー、球場の性質などはレギュラーシーズンではひしひしと実感することになるだろう。
これから研究されてくれば打者の対応も違ったものになってくるかもしれない。
しかし一つわかったことは、彼は今のところボールの違いといった環境の変化にあまり苦心していないという点だ。
1年目は苦労するという予想が多い中で、もしかするといきなりの活躍を本当に期待してもいいのかもしれない。



マイク・トラウトが6年1億4450万ドルの長期大型契約に合意

現役最高の打者は誰かと問われればおそらくほとんどのファンはミゲル・カブレラの名を挙げるはずだ。
先日史上最高額の延長契約に合意したカブレラはそう呼ばれるにふさわしいと球団もファンも思っている。
しかし現役最高の選手はと問われれば、ミゲル・カブレラではなくマイク・トラウトの名が挙がることが多いだろう。
トラウトは22歳(普通の選手ならやっとメジャーに昇格したばかりの年齢だ)にして現役最高の野手との評価を強固なものにしており、それを証明するかのようにこのほどエンジェルスとの2020年までの6年1億4450万ドルの巨額契約を得た。
この契約は2015年にスタートするが、彼は23歳から年平均約2400万ドルというMLBトップクラスの年俸を得ることになる。
普通の選手ならこれだけの契約は無謀だと私も言いたいところだが、トラウトなら話は違う。
大きな怪我での長期離脱がなければこの1億4450万ドルはお買い得契約にすらなり得るのだ。
さらに恐ろしいのはこの契約を満了してもなお彼は29歳であり、そこからまた長期大型契約を狙えるという点である。
もしこの2年間と同じレベルのパフォーマンスを今後彼が続けるのであればFAになった際には10年3億ドル越えを狙えるだろう。
エンジェルスとトラウトの最良の道は、この契約が満了する前年に8~10年の延長契約(1年あたり3000万ドル前後)を結びエンジェルスのフランチャイズプレイヤーとして引退することだろうと私は考えている。
トラウトがエンジェルスを居心地よく感じているのであればこれは最高のシナリオではないだろうか。
もちろんそうなれば殿堂入りも見えてくるだろうし、彼はMLB史に名を残す伝説的プレイヤーになっているはずだ。
まあ現実はここまで完璧に進まないとしても、少なくとも今回のエンジェルスの選択は好ましいものだと私は思う。
願わくばハミルトン、プホルスの復活せんことを・・・

2014年3月28日金曜日

ミゲル・カブレラが8年2億4800万ドルの契約延長

現役最高の打者ミゲル・カブレラがタイガースと8年2億4800万ドルの契約延長に合意した。
彼は2014,15年の残り4400万ドルの契約が残っているため、これを含めると10年2億9200万ドルの史上最高規模の契約となる。
先日クレイトン・カーショウが7年2億1500万ドルの単年あたり(約3070万ドル)では史上最高となる契約を結んだが、カブレラの延長契約は単年あたりでもこれを上回る約3100万ドルとなった。

近年10年に近い長期大型契約が乱発されている印象があるが、カブレラのこの契約は果たして妥当なのだろうか。
今のカブレラに単年あたり3000万ドル以上の価値があるのは間違いないだろう。
しかしこの契約が終わる頃には彼は40歳になっており、その年齢でも今のパフォーマンスを維持できる可能性は限りなく低い。
特に彼は打撃以外のパフォーマンスはむしろマイナスになっており、近い内にDH専任打者となる可能性もある。
つまり打撃が衰えればそれだけで大幅に価値が下がってしまうということだ。
契約の内訳にもよるが、この長期契約は非常に危険だと言わざるを得ないだろう。
これでタイガースが抱える長期大型契約はさらに膨大なものになった。
プホルスのように成績がどんどん降下し不良債権化するリスクよりも、彼が今後数年間はチームの地区優勝、ひいてはワールドシリーズ制覇に大きく貢献してくれる可能性に賭けたのだ。
もし彼がこの契約に見合うだけの活躍で終えることができれば、殿堂入りはもちろんのこと伝説的打者の一人になるのは間違いない。
今のところ衰えの予兆はないが、果たして彼はいつまで現役最高の打者でいられるだろうか?





次なるキューバの衝撃は誰?

昨季ホセ・フェルナンデス、ヤシエル・プイグという二人のキューバ人ルーキーがMLBを席巻した。
その前はアロルディス・チャプマン、ヨエニス・セスペデスなど最近キューバ人メジャーリーガーの活躍が明らかに目立つようになってきた。
そして今季も新たな衝撃を与えてくれそうなキューバ人がいる。
昨季オフにホワイトソックスと6年6800万ドルで契約した26歳の一塁手ホセ・アブレイユだ。
彼は16歳の時から国内リーグでプレーし、そこから着実にキャリアを積み上げ2011年度シーズンでは66試合に出場し打率.453 33本塁打で首位打者と本塁打王の二冠に輝いただけでなく、出塁率、長打率、OPSの国内リーグ記録を樹立した。
翌年も安定した活躍でWBCキューバ代表にも選出され大活躍した。
MLBでプレーする前の直近3年間は以下のようになっており、これは既にMLBで2年連続20本塁打を放っているセスペデスを圧倒的に凌駕している。




当然期待度はセスペデス以上で、本塁打が出やすいホワイトソックス本拠地の性質を考えれば一年目から3割30本100打点を狙えるだろう。
順調にいけば2014年のMLBに大きな衝撃を与えてくれるはずだ。

2014年サイ・ヤング賞候補10傑〈ア・リーグ編〉

私が考えている今季のサイ・ヤング賞候補を各リーグ10人ずつ紹介する。
〇はその投手にとってポジティブな要素、×はその投手にとってネガティブな要素、△はポジティブにもネガティブにもなり得る要素だ。

ダルビッシュ有(27)―レンジャーズ
〇2年目の昨季サイ・ヤング賞投票2位と順調にMLBの環境に適応してきている。
〇チームの補強で勝利数を稼ぎやすい環境にある。
〇離脱がなければ奪三振のタイトル獲得の可能性が高い。
×今スプリングトレーニング中はウリの奪三振が少なめ。
×四球の多さはこの2年でまだ改善しきれていない。
☓開幕はDL入りで出遅れ。


マックス・シャーザー(29)―タイガース
〇長期大型契約を得るために奮起するはず。
〇今スプリングトレーニングでは本塁打こそ打たれているが三振・四球に関しては洗練されている。
〇オフの移籍でチームの守備力は強化された。
△打線の陣容が変ったことで援護率がどうなるかわからない。
×昨季が恵まれ過ぎていた。


ジャスティン・バーランダー(31)―タイガース
〇今スプリングトレーニングでは4試合に先発し防御率0.00と圧倒的。
〇オフの移籍でチームの守備力は強化された。
×7年連続200回以上の勤続疲労と年齢。


フェリックス・ヘルナンデス(27)―マリナーズ
〇昨季はFIP、xFIPともにキャリアハイの出来。
〇長年縁のなかった優勝がかかっているためモチベーションが高い。
〇本拠地が投手有利。
△オフに大幅に陣容が変ったことで良くも悪くも投球成績に影響が出る。
×過去3年間すべてで終盤に大きく崩れる月がある。


クリス・セール(25)―ホワイトソックス
〇チームの打線に変化があったことで援護は昨季より得られそう。
〇年齢的にもう一段階レベルが上がってもおかしくない。
×本拠地は投手に不利。
×投手陣において若くしてエースとしての負担が大きい。


デビッド・プライス(28)―レイズ
〇昨季スタイルチェンジに成功し安定感が増した。
△常に移籍の可能性を取りざたされるため周囲の雑音が大きい。
×制球重視のためか怪我のためか球威が落ちた。
×制球重視のためか奪三振が減った。
×同地区に強力なチームが多い。


ジェームズ・シールズ(32)―ロイヤルズ
〇安定感抜群の投球スタイル。
〇昨季より援護に期待できる。
〇強力なリリーフ陣で好投が無になる可能性が低い。
×7年連続200回以上の勤続疲労と年齢。


ジャスティン・マスターソン(29)―インディアンス
〇今スプリングトレーニング絶好調。
〇昨季奪三振率が大幅に向上。
×昨季は制球力はあまり改善されなかった。


ジョン・レスター(30)―レッドソックス
〇復活した昨季はオールスター明け以降非常に安定しポストシーズンでも活躍。
〇打線が強力で援護を得られそう。
〇今スプリングトレーニングは絶好調。
〇契約最終年でチームも優勝を狙えるためモチベーションが高い。
×同地区に強力なチームが多い。


田中将大(25)―ヤンキース
〇今スプリングトレーニングでは期待された通りの結果を出しており、特に制球面で不安がないため安定感に期待できる。
〇黒田とイチローという2人の先駆者がいるためなじみやすい。
△MLBでの実績が全くないため未知数。
×過去の日本人投手のように1年目は適応に苦労する可能性がある。
×本拠地が投手に不利。
×同地区に強力なチームが多い。
×MLB1年目にしてニューヨークでのプレッシャーという特殊な環境におかれることになり、1年目でも結果が求められる状況。



2014年3月27日木曜日

スプリングトレーニング好調選手 vol.3

☆マイケル・ブラントリー(インディアンス)
16試合 打率.522 0本塁打 12打点 出塁率.558 OPS1.340 1盗塁

あまり知名度がある選手ではないが、26歳にしてブレイクする可能性を秘めている。
理想像は打率.300 40二塁打 10本塁打 30盗塁。
今季いきなりこの結果を求めるのは難しいにしても、スプリングトレーニングとはいえここまで好調ならブレイクを期待できる。




☆アンドリュー・マッカッチェン(パイレーツ)
14試合 打率.465 5本塁打 9打点 出塁率.511 OPS1.394 2盗塁

昨季のナ・リーグMVPだが、どうやらもう一段進化できるかもしれない。
MVPは獲得したもののタイトルをとったことも100打点を達成したこともない。
今季こそはトリプルスリーを達成しパイレーツを地区優勝に導く必要がある。






☆マイク・トラウト(エンジェルス)
18試合 打率.412 5本塁打 16打点 出塁率.464 OPS1.288 3盗塁

MLB最高の外野手はどんどん隙がなくなりつつある。
もはや彼の実力を疑う者はいないだろう。
MVPの最有力候補であり、おそらく今季終了後には非常に大きな契約を得るはずだ。








☆アレックス・ウッド(ブレーブス)
5試合 2勝0敗 防御率0.45 20.0回 16奪三振 2四球 WHIP0.95

昨季デビューして好成績を残したが、開幕からメジャーで投げる今季はかなりのパフォーマンスを期待できそうだ。






☆CC・サバシア(ヤンキース)
4試合 2勝1敗 防御率1.59 17.0回 16奪三振 3四球 WHIP0.76

昨季不調に陥ったサバシアだがこのオフに大減量に挑み周囲を驚かせた。
球速も落ちパフォーマンスへの影響が心配されたが、ここまでは素晴らしい投球を見せている。
ブレイクしたノバ、新加入の田中などがいる中で再びエースの座へ返り咲くことはできるだろうか。





☆マイケル・ワカ(カージナルス)
4試合 3勝0敗 防御率1.76 15.1回 17奪三振 3四球 WHIP0.85

昨季のポストシーズンでの活躍で一気に知名度を上げたが、やはりその実力は本物だろう。
ルーキーイヤーにポストシーズンに出場してその翌年から活躍を続ける若手投手は何人かいるが彼もその一人になるはずだ。




2014年3月26日水曜日

スプリングトレーニング好調選手 vol.2

アメリカでの開幕が近付いてきたところで引き続き好調な選手を紹介する(vol.1で紹介した選手は除く)。

☆マディソン・バンガーナー(ジャイアンツ)
4試合 3勝0敗 防御率0.00 17.0回 16奪三振 2四球 WHIP0.71

今やリーグ屈指の左腕となったバンガーナーだがここまで驚異の防御率0.00を記録している。
デビュー以来毎年安定して結果を残しているだけにさらなる進化を期待していいだろう。
打線のサポート次第ではサイ・ヤング賞の候補にも上がってくるはずだ。




☆ジャスティン・マスターソン(インディアンス)
5試合 3勝0敗 防御率0.95 19.0回 20奪三振 4四球 WHIP0.79

2010年以来隔年で活躍しているが昨季は奪三振率が大幅に上がるなどわかりやすい進化を見せた。
シンカーボーラーであり、被本塁打の少なさが特長だが、奪三振率の向上でさらに投球の質が上がったとみていいだろう。
スプリングトレーニングでの制球の良さも本物なら隙のない投手になりそうだ。





☆ブランドン・ヒックス(ジャイアンツ)
21試合 打率.421 3本塁打 11打点 出塁率.531 OPS1.373 2盗塁

全くの伏兵的存在で、彼のことを知らないMLBファンも多いのではないだろうか。
28歳と年齢的には中堅に差し掛かっているがメジャーでの出場試合数はわずか55試合で通算打率は.133にすぎない。
元々はブレーブスのマイナーでパワーと出塁力に定評のあるショートだったが、アスレチックスやメッツを経て今季はジャイアンツへと流れてきた。
この大爆発はブレイクの兆しなのか一時の狂い咲きなのか。
シーズンが始まってみればその答えが出るだろう。





☆オースティン・ジャクソン(タイガース)
15試合 打率.457 2本塁打 12打点 出塁率.490 OPS1.251 3盗塁

ミゲル・カブレラという絶対的打者がいる中で重要なのはその前を打つリードオフマン。
タイガースはスピードのある選手の不在に悩んできたがジャクソンが一皮むければその問題も解決するだろう。
わずか15試合の出場の中で足を活かして三塁打を2本も打っている。
気になる三振数も今のところ少なめで(四球も多くないのだが)、今季は3割100得点30盗塁が期待される。




☆スティーブン・ストラスバーグ(ナショナルズ)
4試合 3勝0敗 防御率0.64 14.0回 10奪三振 4四球 WHIP0.86

これまでも十分な活躍をしているのだがドラフト時の評価を考えるとまだ物足りない。
今季彼が目指すのは15勝 200回 200奪三振だ。
そのために最重要なのはもちろん怪我をしないこと。
スプリングトレーニングではあまり三振を奪えていないのは気になるが、投球内容自体は洗練されている。



☆ブラッド・ミラー(マリナーズ)
17試合 打率.412 4本塁打 10打点 出塁率.474 OPS1.356 1盗塁

昨季デビューしたミラーは現在絶賛ブレイク中でライバルであるニック・フランクリンに一歩リードしている。
特に長打力に関しては期待してもいいのではないだろうか。
フルシーズンプレーすればマリナーズとは言え20本塁打前後は打ってもおかしくない。
マリナーズはカノー、アックリー、モリソンといった他の左打者も好調で、セーフコ・フィールドの特性を考えれば昨季以上の打力は期待できそうだ。




2014年3月25日火曜日

再起にかけるスター選手

スポーツ選手は怪我と無縁ではいられない。
多大な才能を持ちながら怪我でキャリアを絶たれる選手がいることを思うと、頑強さもまた才能なのだと思わせられる。
MLBでは毎年スター選手が怪我により不調や全休に追い込まれるが、中には復活を遂げる選手もいる。
今回紹介するのは怪我からの完全復活が望まれる元スター選手たちだ。


松坂大輔(33)
日本では押しも押されぬスターだったが、期待されてデビューしたMLBでは思い通りの結果を残せず苦しんだ。
近年は怪我には悩まされており、昨季はトミー・ジョン手術からの復帰を図り新天地でプレーしたのだがマイナー過ごす期間が長くなってしまった。
メッツではメジャー昇格当初こそ芳しくなかったが最後の数試合では光るものを見せて再契約を勝ち取ってみせた。
もはや速球に威力はないが、うまくスタイルチェンジできればまだ復活の可能性はある。
今季狙うのはひとまず先発ローテーション入りだ。





グレイディ・サイズモア(31)
走攻守すべてを兼ね備えたスター外野手が怪我によって一気に転落。
この2年間は全休だったが再起を賭けてボストンでスタートをきることになった。
怪我が膝だっただけに以前のような守備・走塁は望めないだろうが、打撃はまだ復活の目があるはず。
スプリングトレーニングでも現時点ではまずまずの出来を見せており、メジャーでポジションを得ることができれば非常に面白くなる。
現時点ではまだ未知数だが、彼が今季復活すればレッドソックスのキープレイヤーにもなり得る。





ジョシュ・ジョンソン(30)
怪我さえなければと多くのファンが思ってしまうのがジョンソンという投手だ。
実力は折り紙つきで投手に必要なツールをたった一つを除いて備えていた。
そのたった一つが耐久性であり、それが彼のキャリアへ致命傷を与えている。
万全の状態で過ごせたシーズンは一度しかなく、ブルージェイズへ移籍した2013年はキャリア最悪の出来となった。
今季はパドレスが獲得し、スプリングトレーニングでも順調に来ていたが早くも怪我で少なくとも一カ月の離脱が決定してしまった。
しかし復帰すれば投手有利な本拠地も相まって何か素晴らしい結果を出してくれるのではないかとどうしても期待してしまう選手ではある。





デレク・ジーター(39)
今季がラストイヤーとなるMLBの顔。
しかしスプリングトレーニングでは全く結果を残せておらず、有終の美をかざるのを期待するのは少々酷かもしれない。
それでもフィールドに立てば王者の貫録とリーダーシップでチームを引っ張ってくれるはずだ。
どんな結果になろうとも大きな怪我なくフルシーズンを過ごしてくれることを願いたい。






ネフタリ・フェリース(25)
2010年の新人王で若くしてクローザーへと定着したことでその将来が嘱望されたのだが怪我もあり先発転向は結局うまくいかずリリーフから再出発することとなった。
今季はホアキム・ソリアがクローザーに指名されたが、ソリアの状態とフェリースの復活次第では立場が変わる可能性は大いにある。
しばらくはセットアッパーとしてプレーするだろうが、シーズン中盤には彼がクローザーになっていてもおかしくはないだろう。



2014年3月22日土曜日

2014年MLB開幕!!

ドジャース対ダイヤモンドバックスのカードで2014年MLBが開幕した。
今年はオーストラリアでの開幕戦ということで一足早くこの2チームがレギュラーシーズンに入った。
怪我などでこの遠征に帯同していない選手もいるが、スター選手が多く登場するとあってオーストラリアでも沸いていることだろう。

初戦の先発投手はドジャースがクレイトン・カーショウ、ダイヤモンドバックスがウェイド・マイリーの左腕対決となった。
注目すべきはもちろんカーショウの出来。
スプリングトレーニングでは4試合に投げて防御率9.20というかつてない不調ぶりから、コンディションや史上最高クラスの契約を結んだことによる影響など心配されたが始まってみれば本塁打王ゴールドシュミットなどを擁する強力なダイヤモンドバックス打線を6.2回1失点と危なげなく抑えて見せた。
どうやら今年もナ・リーグのサイ・ヤング賞最有力候補はカーショウだと見て間違いないだろう。
試合はヴァン・スライクの本塁打などで奪った少ない点差を強力な投手力で守りきったドジャースが3対1で制した。
ドジャースに関して心配なのはヤシエル・プイグ、ハンリー・ラミレスといった気まぐれなラテン系スター選手。
両者ともにスプリングトレーニングは不調でこの開幕戦でも無安打だっただけでなくプイグに至っては3三振を喫している。
スターダムを駆け上がったことで天狗になったのか2度の逮捕も経験したプイグは実力は疑いないもののやはり精神面が今後の課題になってきそうだ。

ダイヤモンドバックスは先発のマイリーが8奪三振を記録するなど粘ったものの打線がカーショウを打ち崩すことはできなかった。
主砲ゴールドシュミットは流石の活躍だったが移籍してきたトランボや若手のオウィングスなどの活躍でどれだけゴールドシュミットをサポートできるかが打線のカギになるだろう。
それでもリリーフは一点も失うことがなかったのが好材料だ。








2014年3月12日水曜日

スプリングトレーニング好調選手 vol.1

スプリングトレーニングで好調な選手をピックアップして紹介していく。

☆マイク・ムースタカス(ロイヤルズ)
10試合 打率.435 3本塁打 12打点 出塁率.536 OPS1.449 0盗塁

大器と期待されながらここまで伸び悩んできたがようやく開花の兆しか。
昨季もスプリングトレーニングでは好調ながらレギュラーシーズンで結果を残せなかっただけに終わってみるまではわからないが、三振が少なく四球も選べているあたりに成長の跡がうかがえる。



☆ホゼ・バティスタ(ブルージェイズ)
8試合 打率.400 3本塁打 6打点 出塁率.520 OPS1.520 0盗塁

毎年スプリングトレーニングできっちり結果を残すバティスタだが今季は殊更好調で怪我の影響は少なそうだ。
パワーも相変わらずで今季はぜひとも50本塁打を狙ってもらいたいところ。







☆ジェイソン・ヘイワード(ブレーブス)
11試合 打率.379 3本塁打 3打点 出塁率.419 OPS1.109 1盗塁

ほとんど同じ年齢の同僚フリーマンが8年契約を得たことで奮起したのか今のところはよく打っている。
守備はリーグ最高級だけに、後は打撃でグリフィー級のポテンシャルを発揮してほしい。




☆ミゲル・カブレラ(タイガース)
9試合 打率.455 2本塁打 5打点 出塁率.571 OPS1.344 0盗塁

この選手に関してはもはや言うこともない。
このスプリングトレーニングも好調で、現役最強打者の座を明け渡すことはしばらくないのではないだろうか。





☆アンドリュー・キャッシュナー(パドレス)
3試合 2勝0敗 防御率0.00 9.0回 6奪三振 0四球 WHIP0.89

昨季ブレイクの兆しを見せた剛腕キャッシュナーはどうやら本格的にエースになりそうだ。
奪三振はやや物足りないが、未だに四球なしという安定感は貫録すらうかがえる。





☆マックス・シャーザー(タイガース)
3試合 2勝1敗 防御率0.93 9.2回 10奪三振 1四球 WHIP0.52

昨季のサイ・ヤング賞投手はこのスプリングトレーニングでも絶好調。
ブレイクした昨季もスプリングトレーニング絶好調で結果を出しただけに、今季もかなり期待できるかもしれない。




2014年3月9日日曜日

マット・カーペンターが6年の契約延長

昨季大ブレイクを見せカージナルスのリードオフマンとして活躍したマット・カーペンターがカージナルスと6年5200万ドルの延長契約を結んだ。
カーペンターは昨季が3年目だが28歳と遅咲きの選手であり、メジャーでフルシーズンを過ごしたのは昨季が初めて。
この2年の活躍ぶりでリーグ屈指の二塁手という評価を得たが今季からは若手二塁手コルテン・ウォンが出てきたため三塁手としてプレーすることになる。
昨季と同じくらいの活躍が今後数年間出来るなら6年で5200万ドルはかなりお買い得な契約になるだろう。
ちなみにワールドシリーズ最終戦で上原を相手に最後の打者となったのもカーペンターだ。






2014年3月6日木曜日

メジャーの〇〇自慢を探せ! 〈ウィニングショット編〉

今回は投手のウィニングショットに目を向けてみる。
好投手はみな強力なウィニングショットを持っているもの。
リベラのカッター、ヨハン・サンタナのチェンジアップのような時代を代表する強力な変化球を持つ投手を紹介しよう。

☆コール・ハメルズ(フィリーズ)
”チェンジアップ”
チェンジアップと言えば数年前まではヨハン・サンタナの代名詞だった。
そこからサンタナが低迷し、チェンジアップの最強の使い手として新たに名乗りを上げたのがハメルズだ。
彼は速球は平均程度の球速しかないのだが、83mph前後のチェンジアップで他の球種を際立たせている。




☆クレイトン・カーショウ(ドジャース)
”カーブ”
今や現役最高の投手の名を欲しいままにしているカーショウはすべての球種がハイレベルで、大きな弱点はない。
しかしその中でもひと際輝く球種が73mph前後のスローカーブだ。
このカーブの凄さを語るにはある一つのデータを示すだけでいいだろう。
カーショウが過去にシーズンで投げこんだ2157球のカーブの中で、本塁打されたものは1球もない。
これ以上に凄さがわかるデータはあるだろうか。





☆ダルビッシュ有(レンジャーズ)
”スライダー”
日本人ファンならお馴染みのダルビッシュのスライダーは日本のみならずMLBにおいても最強のウィニングショットとして評価されている。
彼が奪三振を量産しているのもスライダーがあるからに他ならない。
2009年のWBCで彼が最後に投じたスライダーには大きな衝撃を受けたが、曲がりの大きくなるMLB球で投げるダルビッシュのスライダーはまさに魔球だ。





☆アダム・ウェインライト(カージナルス)
”カーブ”
近年はカーブを多投する投手というのは多くなく、先に紹介したカーショウもカーブの割合は10%程度にすぎない。
その中で30%近い割合でカーブを投げるウェインライトは珍しいタイプの投手と言えるだろう。
2mの長身から投げ込む大きく割れるカーブは当然のごとく効果的で、コントロールも非常にいい。
怪我で1年を棒にふった後もカーブの精度は損なわれておらず、現役屈指のカーブピッチャーだと言える。





☆フェリックス・ヘルナンデス(マリナーズ)
”チェンジアップ”
2009年頃まではそれほどチェンジアップを投げていなかったがサイ・ヤング賞を獲得した2010年からはチェンジアップの割合が大きく増加。
2013年はまた大きく割合を減らしたが、彼のチェンジアップの特徴は球速。
89mph前後という速さでストンと落ち、速球との球速差も3mph程度しかないため打者は見極めに非常に苦労する。
通常チェンジアップは速球との球速差が大きい方がいいものだが、ヘルナンデスのチェンジアップは空振りをとるだけでなくゴロを打たせるのにもかなり効果的だ。



2014年3月5日水曜日

MLBで初のチャレンジ

MLBは常に革新的なものを取り入れようとしているが、今季最も大きな変更は”チャレンジシステム”の導入だろう。
今年も始まったスプリングトレーニングでは今季から適用範囲を大幅に拡大されたビデオ判定が初めて利用された。
これまでビデオ判定は本塁打に限られていたのだが今季からその範囲はストライク・ボール判定以外のほとんどへと拡大。
当然アウト・セーフのきわどいプレーにも適用されることになる。
チャレンジシステムと言えば世界的に有名なのはテニスだ。
ホークアイという優れたカメラ技術により、チャレンジが要求された場合にはスクリーンにCGが表示されそれによって判定が決まる。
選手はそれぞれ1セットにつき3度のチャレンジ権を持っており、チャレンジ成功、つまり審判の判定が覆った場合はチャレンジ権を失うことはない。
同じようなシステムはアメリカ一人気のNFLでもあり、インスタント・リプレイと呼ばれるこのシステムではタイムアウトの権利を賭けてチャレンジが行われる。
タイムマネジメントが醍醐味であるNFLではチャレンジは最も盛り上がるシーンの一つであり、既になくてはならないものになっている。
またテニスでも試合の勝敗を分ける場面ではチャレンジの使い方が非常に重要になっており、自分のショットがインだった、相手のショットがアウトだったという主張だけでなく、ポイントを取られた後に自分のサーブがアウトだったのではないかという主張をして振り出しに戻すという面白い使い方がされたこともあった。
チャレンジが導入されたスポーツでは、それが醍醐味の一つになっているということが見受けられる。

野球も誤審がつきもののスポーツだ。
近年ではアンドレス・ガララーガが誤審で完全試合を逃すという事件もあった。
そのような悲劇を繰り返さないためにビデオ判定の範囲が広げられようとしているのだが、今回導入されたシステムではチャレンジの権利は1試合につき1度。
もちろん判定が覆ればチャレンジ権を失うことはないが、1度分しかないことでかなり使い方を問われるようになるだろう。
3月3日の試合では、スプリンゴトレーニングとは言え初めてチャレンジ権が行使された。
偶然にもそれは川崎宗則のプレーだった。
ブルージェイズ対ツインズの一戦で6回裏2アウト2塁の場面。
川崎はショートゴロを処理し1塁に送球したのがボールは少しそれ一塁手は伸びあがった捕球した。
その際に足が離れ、走者が一瞬速くベースへたどりついたため塁審はセーフの判定を下したがこれにブルージェイズのギボンズ監督がチャレンジを要求。
初のチャレンジは滞りなく進められ結果は判定覆らずセーフとなり、川崎にはエラーが記録された。
この日は川崎も含めてMLB全体で3つのチャレンジが利用された。
どの監督もまだ探り探りの状態だろうが、これで正確な判定を期待できるようになったのは野球の大きな進歩と言えるだろう。

2014年3月4日火曜日

メジャー経験のあるNPB新外国人選手まとめ vol.3

今回は2013年メジャーでプレーすることはなかったものの、それ以前にはプレーしたことがある元メジャーリーガーを紹介する。
記載する2013年成績はマイナーでのもの、通算成績はメジャーでのものだ。

☆マウロ・ゴメス(29)→阪神
2013年 110試合 打率.249 29本塁打 73打点 出塁率.322 OPS.843 2盗塁
通算 37試合 打率.275 2本塁打 17打点 出塁率.324 OPS.746 0盗塁

彼が外野を平均程度に守れていればもっと出番はあっただろうと思われる惜しい選手。
マイナーでは簡単に20本塁打以上を打つあたりパワーがあることが間違いないが、三振が多くなく選球眼もそこまでいいわけではない。
守備力も低いため色々と使い勝手が悪い故、メジャー昇格のチャンスには恵まれなかった。
これまでのことを考えるともはや大金を稼ぐ手立ては日本にしかなく、モチベーションが伴えば阪神で主軸として活躍できるポテンシャルは持っているはずだ。



☆フアン・ミランダ(30)→日本ハム
2013年 107試合 打率.367 26本塁打 86打点 出塁率.498 OPS1.131 2盗塁
通算 111試合 打率.226 11本塁打 37打点 出塁率.320 OPS.740 0盗塁

日本ではあまり話題になっていないのだが、ミランダは長打力と出塁力を兼ね備えた強打者だ。
2013年は打高のメキシカンリーグでの成績で、それまでのマイナーでの成績はそれほどハイレベルというわけではないが、どのグレードでも一定した長打力と出塁力を見せている。
メジャーでも低打率ながらOPS.700を越えるなどやはりポテンシャルは低くない。
日本でパワーヒッターとして活躍する素養は十分あるため、日ハムでは中田、アブレイユとともに強力なクリーンナップを築くことができるかもしれない。
特にアブレイユとは同じキューバ出身なのでなじみやすい環境は整っている。



☆バーバロ・カニザレス(34)→ソフトバンク
2013年 112試合 打率.374 29本塁打 112打点 出塁率.449 OPS1.099 4盗塁
通算 5試合 打率.190 0本塁打 0打点 出塁率.190 OPS.429 0盗塁

高齢ながら直近3年間のマイナー成績は圧倒的で、OPSは1.100近くを推移している。
プレーしているリーグが打高だということを考えてもこれだけの活躍ができる選手はそう多くない。
実力はあると考えていいが、ソフトバンクが大型補強をしてしまったために外国人枠の関係上あまり多くの出番が与えられそうにない気の毒な境遇になってしまった。
守備・走塁で貢献できるわけでもないので、よっぽど打ちまくらないと1軍定着は難しいかもしれない。



☆アンダーソン・エルナンデス(31)→中日
2013年 66試合 打率.295 11本塁打 41打点 出塁率.368 OPS.844 12盗塁
通算 240試合 打率.241 4盗塁 60打点 出塁率.300 OPS.614 10盗塁

2013年以外はマイナーでも二ケタ本塁打を記録したことがなく、2013年も打高のメキシカンリーグでの成績ということで打撃にはあまり期待できない。
だがユーティリティ性は高くセカンド、ショート、サードを守ることができる。
走塁とセカンドでの守備には期待していいだろう。



☆クリス・セドン(30)→巨人
2013年 30試合 14勝6敗 防御率2.98 187.1回 163奪三振 73四球 WHIP1.29
通算 38試合 2勝3敗 防御率5.47 74.0回 44奪三振 28四球 WHIP1.53

2013年の成績は韓国でのもので、一年目でいきなり最多勝を獲得した。
平均89mph(143km)程度と球速は決して速くはないのだが特徴的なフォームと190cm越えの長身左腕というところを活かしてくる。
球種はフォーシーム以外にツーシーム、スライダー、チェンジアップというオーソドックスなものだ。
特筆すべき点はないのだがある程度まとまったタイプであり、左腕で平均140kmを越える投手(しかも長身)がほとんどいない日本では慣れられていないという点で有利だ。
マウンドとボールにさえ合えば期待以上の活躍をしてもおかしくはない。 

2014年3月2日日曜日

田中将大が上々のスプリングトレーニングデビュー

MLBでも始まったばかりのスプリングトレーニングで次々とスター選手が登場する中、今季最も注目されていると言っても過言ではない田中将大がデビューを果たした。
田中は予定通り5回からリリーフで登板し、2回を2安打無四球3奪三振無失点と上々の結果を出した。
彼に関して多くの識者がどういう活躍をするか予想しているのだが、ほとんどの識者たちが言及しているのがコントロールのよさ。
田中に年2000万ドルの価値はないと考えている識者ですらも、田中がストライクを取ることに苦労することはないだろうと予想している。
そして今日田中が見せた投球はその予想が正しいと証明するものだった。
日本人メジャーリーガーが苦労するのがボールとマウンドで、特にボールは日本のものより滑ることでコントロールしにくいと言われる。
田中もそこを危惧されていたのだが今日のパフォーマンスを見る限りはそれほど心配する必要はなさそうだ。
時折甘く入る瞬間はあったもののやはりストライクをとることに長け、スプリッターで三振も奪うことができた。
これはなかなか印象的なデビューになったと言えるのではないだろうか。
ただ少し気になるのはフライアウトが3つでゴロのアウトが1つもなかったことだ。
ヤンキースタジアムの性質を考えれば活躍するにはグラウンドアウトピッチャーの方が望ましい。
黒田が活躍している要因もそこにあるあ、もしMLBで田中がフライアウトピッチャーになるのであれば被本塁打のリスクが増えてしまう。
これは今後の投球で傾向を見極めていかなくてはならないだろう。





ちなみにこの日はヤンキースのエース格サバシアと黒田も登板した。
サバシアは先発し2回を2安打無四球1奪三振無失点、黒田は3回から登場し2回を1安打無四球2奪三振無失点とそれぞれ好投。
サバシアはフライアウトとゴロのアウトがそれぞれ2つずつ、黒田はフライアウトがなくゴロのアウトが2つと持ち味も見せた。
また7番で先発したイチローもタイムリーヒットを放ち3打数1安打1打点と活躍。
最終的にヤンキースは4対0でフィリーズを下すなど日本人ファンにとって喜べる試合になったのではないだろうか。