2014年4月30日水曜日

K・ロッドがセーブタイ記録に並ぶ

フランシスコ・ロドリゲスと言えば2008年に樹立した年間62セーブという大記録を思い浮かべるが、今回5月までの13セーブというタイ記録を打ち立てた。
明日の試合には新記録である14セーブ目がかかる。
彼は現在32歳だが、2009年のメッツへの移籍後に成績が低下し、ブルワーズ移籍後にはセットアッパーだった時期もあった。
そういった回り道をしても現時点で通算317セーブであり、今後またクローザーとして数年活躍しつづけることができれば500セーブ、ひいては殿堂入りも見えてくるだろう。
もはや以前のような球威もない技巧派になってしまったが、再びリーグ屈指のクローザーへと復活なるか。




2014年4月27日日曜日

無名のブレイク選手特集

スポーツの世界では、それまでほとんど無名だった選手が大活躍をみせ一気にスターの仲間入りをすることが少なくない。
MLBでも毎年そういう選手は吸う人出てくるが、今季も無名選手が何人かブレイクしているので紹介していこう。
果たして彼らは最後まで活躍しつづけることができるだろうか。


☆チャーリー・ブラックモン(27)―ロッキーズ
23試合 打率.398 5本塁打 17打点 出塁率.440 OPS1.102 7盗塁

今最もホットな打者の一人と言っていいだろう。
この2年外野の控えとしてそれなりの活躍を見せてきたがファウラーの移籍によって定位置をつかむと走攻守すべてにおいてハイレベルなパフォーマンスを発揮している。
しかしロッキーズ打者恒例の内弁慶タイプの選手であり、今季もホームではOPS1.423を記録している反面アウェイではOPS.701と並以下の打者。
今後成績は落ちていくだろうが、クアーズ・フィールドのお陰である程度の好成績は維持できそうだ。


☆クリス・コラベロ(30)―ツインズ
22試合 打率.318 3本塁打 27打点 出塁率.355 OPS.878 0盗塁
独立リーグ出身でマイナーでプレーし始めたのも2012年からと遅咲き。
だがマイナーでの活躍ぶりは凄まじく、2013年は89試合で24本塁打と特筆すべきパワーを持っている。
メジャー2年目となる今季はスプリングトレーニングから好調を維持しており、抜群の勝負強さを発揮している。
しかし選球眼などまだ粗い部分があり、このあたりを克服していかなければ成績は今後落ちていく可能性も高い。
また本塁打の出にくいターゲット・フィールドを本拠地とするため、本塁打量産も難しいだろう。



☆ジェシー・チャベス(30)―アスレチックス
5試合 1勝0敗 防御率2.32 31.0回 33奪三振 7四球 3被本塁打 WHIP1.10
昨季までは主にリリーフとしていくつかのチームを渡り歩いており、どこにでもいる中の下のリリーフ投手という感じだった。
今季はスプリングトレーニングから先発で試され、そこで好投したため開幕からローテーション入り。
パーカーの抜けた穴を埋めることを期待されたわけだが開幕から4試合を全てを1失点に抑えるという好投で、予想外の活躍を見せている。
速球を動かしていくタイプだが三振もとることができ、ここまでは内容的にも素晴らしい。


☆アルフレッド・シモン(32)―レッズ
4試合 3勝1敗 防御率1.30 27.2回 17奪三振 9四球 2被本塁打 WHIP0.94

オリオールズ時代は並以下の投手で、先発もリリーフもこなしていたがどちらでも結果が出なかった。
しかし2012年にレッズにやってくるとリリーフとして好投をみせ、昨季まで2年連続防御率2点台と活躍。
今季はスプリングトレーニングで先発として試され、あまり好成績は残せなかったが開幕からローテーション入りするとここまで全試合でクオリティスタートの活躍ぶりを見せている。
とにかくゴロを打たせることを信条とする投球スタイルで投球の7割以上を動く速球が占める。
そのため三振はあまりとれないのだが、本拠地が打者有利なレッズの投手としてベストな投球スタイルでもある。
ただこういったタイプは運にも左右されがちなので今後大幅に成績が悪化する可能性もあるだろう。
今後の活躍の鍵は制球力になるはずだ。

2014年4月26日土曜日

メジャーの◯◯自慢を探せ! 〈選球眼編〉

現代のMLBで野手に対して最も重視されているツールはなんだろうか。
パワー?スピード?それともアメイジングな守備力?
どれか一つに絞ることは出来ないが、セイバーメトリクスが普及した現在では、いやいや選球眼だ、と答える者は多いはずだ。
選球眼がいい選手の最大の利点は不調の際にも四球や球数を投げさせることで打席で貢献できること。
これは地味ながらチームスポーツである野球においては非常に重要な要素なのだ。
今回はそんな選球眼自慢を紹介する。


☆シンス・チュー(レンジャーズ)
3割に満たない通算打率で4割近い通算出塁率をたたき出しているMLB屈指の出塁マシーン。
ほとんど毎年出塁率はリーグで10位以内に入っており、昨季は出塁率.423とキャリアハイの数値を記録した。
四球が多いのはただボールを待っているからではなくしっかりとボール球を見極めているからで、ボール球スイング率もかなりの高水準だ。



☆カルロス・サンタナ(インディアンス)
とにかく選球眼がよく、長打力があって低打率というとどうしても粗い印象を受けてしまうがボール球には滅多に手を出さず三振も多くない優良打者だ。
後は打撃技術のほうがついてくれば文句なしなのだが・・・




☆ホゼ・バティスタ(ブルージェイズ)
本塁打王バティスタはただ豪快なだけではない。
上記のサンタナと同様印象とは裏腹に三振も多くなく、とにかくボール球には手を出してくれない。
この選球眼こそ彼のブレイクが1年では終わらなかった理由だ。



☆ジョーイ・ボットー(レッズ)
出塁の鬼と言えばこの選手。
抜群の選球眼と甘い球をしっかり待つスタイルで出塁率はなんと5年連続4割超え。
主軸なのだからもっと積極的に打っていくべきだと批判されたほどだが彼のこだわりのスタイルは変わらず、これからも出塁マシーンとして安定した活躍を続けるだろう。





☆マット・ジョイス(レイズ)
派手さはなくコンタクト力も高くなく、加えて左投手に弱いという明確な弱点もある。
しかし名GMフリードマンが彼を高く評価しているのにはもちろん理由がある。
それが彼のハイレベルな選球眼なのは間違いないだろう。
甘い球は見逃さず、今季は絶賛大活躍中だ。





2014年4月23日水曜日

アルバート・プホルス 500本塁打達成

エンジェルスのアルバート・プホルスが通算500本塁打を達成した。
昨季は怪我もあり大きな不振に陥っていたが、今季はやや復活気味で本塁打をハイペースで量産している。
元々殿堂入りはほぼ間違いないと言われていたが、殿堂入りキップとも言われる500本塁打を達成したことでその可能性はさらに上がった。
このままキャリアを脅かす怪我もなく10年契約(今季含めて残り8年)を全うするなら3000安打 600本塁打 2000打点を達成する可能性も低くはない。
過去にこれを達成した打者はハンク・アーロンただ一人であり、現役でこれを達成しそうな選手も他にはA・ロッドしかいない。
プホルスが薬物に手を出していなければ、アーロンに続く2人目のクリーンな達成者になれるかもしれない。
プホルスは果たして伝説の打者になれるだろうか。



2014年4月22日火曜日

メジャーの◯◯自慢を探せ! 〈制球編〉

今回は制球編。
制球にはコントロールとコマンドの2種類の能力が存在する。
コントロールはストライクゾーンに投げる能力、コマンドは狙ったスポットに投げる能力だ。
今季のパフォーマンスを見ると田中も加えたいところなのだが今回は1年位上のキャリアがある投手のみを対象とした。


☆クリフ・リー(フィリーズ)
現在のMLBで制球と言えばリーの右に出るものはいないと言ってもいいくらい、彼は抜群の制球力を持っている。
ただ四球を出さないというだけでなく、きわどいコースに狙って投げ込めるためボールの威力自体は並だが奪三振力も高い。
彼が2010年に叩きだした、歴代2位のK/BB10.3がその何よりの証左だ。



☆上原浩二(レッドソックス)
今やリーグ屈指の守護神になった上原だが、その原動力になっているのは言うまでもなくずば抜けた制球力。
甘く入れば即スタンドインされてしまうほど球威に乏しいが、それを制球力でカバーしている。
スプリッターと速球のコンビネーションはスピードがなくても凶悪で、相手チームはただ上原のミスを待つしかない。







☆マーク・バーリー(ブルージェイズ)
現在13年連続200回&二桁勝利を達成しているが、彼の球威はリーグ最低レベルでしかない。
それでもなお偉大な記録を継続できるのは、頑強さと安定した制球力を持ち合わせているからだ。
彼の実績は過小評価されていると言ってもいいだろう。







☆アダム・ウェインライト(カージナルス)
若手の頃は制球力も特筆すべきレベルになかったが年を追うごとに投球内容が成熟し、トミー・ジョン手術による全休などありながらも昨季はK/BBがMLB2位になるなど制球力はさらに向上しつつある。
サイ・ヤング賞投票2位が2度、3位が1度といつも惜しい投手でもある。




☆バートロ・コロン(メッツ)
ストライクゾーンに投げるコントロールについては1,2を争う。
一度は終わった投手だと思われていたがまさかの復活を遂げ、抜群のコントロールで結果を出している。
いつの間にか200勝も間近だ。
ちなみに彼は38球連続ストライクというとんでもない記録も持っている。





2014年4月19日土曜日

ボールが分解!?

今日はMLBで非常に珍しい事件が起こったので少し紹介しよう。
パイレーツ対ブルワーズ戦において打席にたっていたマルドナードの打球は三塁正面に転がり、三塁を守っていたアルバレスがそれを処理し送球したのだが失速し結局内野ゴロとなってしまった。
どうして送球が失速してしまったのかというと、なんと打球の革の部分がはがれてしまっていたのだ。
ボールの作りが悪かったのか、それとも様々な要因が重なって起こった奇跡なのかはわからないが、ブルワーズとしてはラッキーなプレーとなった。



プホルスは復活するのか!?

今のアルバート・プホルスの評価は決して高くない。
ただでさえ32歳からの10年契約などリスクが高過ぎるのに、その最初の2年間で期待通りの活躍ができなかったからだ。
これは肉体的な衰えによるものなのか、あまりにも急激な成績の低下に薬物疑惑さえも叫ばれた。
不良債権化は避けられず、エンジェルスはこの大きな負債に今後苦しまされ続けるはずだが、今季のプホルスはなにやら復活の気配を見せている。
毎年結果を残すスプリングトレーニングでは今季も1本塁打ながらOPS.900超えの好成績を残した。
しかし近年のプホルスにとって鬼門なのはレギュラーシーズン開幕直後だ。
初めて3割100打点を下回った2011年から、4月は毎年OPS.800を切っており、2012年に至ってはOPS.500台と極めて不調だった。
しかしどの年もシーズンが進むにつれ復調し夏場以降にはOPS.900台にまで調子を上げている。
もしこの傾向が今年も続くのであれば、4月時点でよく打てている(もちろん全盛期ほどではない)今季は後半戦に調子を上げてさらなる好成績をも望めるということになる。
この点に関してはエンジェルスファンである私の希望的観測ではあるが、過去のデータ上でプホルスは明らかに後半戦に調子を上げていく打者なのは間違いない。

加えて今季は殿堂入りキップと言われる500本塁打まであと3本と迫っている。
今季中の2500安打も視野に入っており、チームも戦力的には優勝を狙える状況にあるためモチベーションも高いはずだ。
殿堂入りはもはや間違いないであろう選手だが、晩節を大いに汚さないためにもこの辺りでもう一度爆発してあらゆる疑念を払拭したいところである。


メジャーの◯◯自慢を探せ! 〈コンタクト編〉

今回はコンタクト編をお届けする。
コンタクト能力というと日本ではあまり馴染みがない言葉だが、日本で言うとミート力がそれに該当するだろうか。
コンタクト力が高くバットに当てる能力が高い選手を紹介する。

☆マルコ・スクータロ(ジャイアンツ)
典型的な小兵タイプで、パワーはあまりないがバットに当てるのが抜群にうまい。
2013年はコンタクト率(スウィング時にバットに当てる確率)で両リーグトップの95.7%を記録しており、ストライクゾーンに限れば97.6%とめったに空振りをしなかった。



☆ビクター・マルチネス(タイガース)
リーグ屈指の攻撃的捕手として活躍してきたが、長打力も兼ね備えながら長いキャリアで三振数は80を超えたことがなく、四球もしっかり選べる。
特に近年は常にコンタクト力が90%を超えている。








☆青木宣親(ロイヤルズ)
イチローについで日本の誇る安打製造機である青木だが、実際彼のコンタクト力はMLB全体でも高いレベルにある。
これが高打率にいまいちつながらないのはやはりパワー負けしているからか。
昨季のコンタクト率92.1%は両リーグ2位だったが、今季は今のところコンタクト率が悪化し三振が増加しているのが気になるところ。









☆デナード・スパン(ナショナルズ)
こちらもパワーに欠けるスピードタイプの打者。
大活躍した2009年から4年連続でコンタクト率が91%を超えており、今季も90%超えとコンタクト力は高い次元で安定している。






☆ジェフ・ケッピンジャー(ホワイトソックス)
パワーもなく際立った成績を残したことがほとんどないが、コンタクト率はデータが出ている6年連続で91%超え。
特にストライクゾーンに限っては6年連続で95%超えと非常に空振りが少なく、特徴的なバッティングフォームも魅力。










2014年4月18日金曜日

メジャー〇〇自慢を探せ! 〈強肩編〉

今回は屈指の強肩自慢を紹介しよう。

☆アンドレルトン・シモンズ(ブレーブス)
本ブログでも何度か紹介している超のつく強肩ショート。
他の選手なら捕るのがやっとの打球をさらに力強い送球でアウトにしてしまう。
ノーステップで内野深くから投じるレーザービームは一見の価値あり。
内野手の肩の重要性を再認識させられる選手だ。



☆ジェフ・フランコーア(インディアンズ)
メジャーの外野手で強肩と言えばこの人。
守備自体は上手くないのだがこの肩で数多くのアウトをとってきた。



☆ジェラルド・パーラ(ダイヤモンドバックス)
こちらも肩、ひいては守備の評価が非常に高い外野手。
外野ならどこでも守れる万能性があり、打撃も平均程度にやれるので総合評価が高まりつつある。



☆ヤディアー・モリーナ(31)
プエルトリコ代表として出場し、WBCで日本代表と対戦したことで一躍日本で名が知られたメジャー最高の捕手の一人。
守備面に関してはリード、肩ともに最高の評価を受けており、史上有数の守備力の持ち主である。






☆サルバドール・ペレス(23)
まだ若い捕手なのだが守備に関してはすでにリーグ最高レベルに到達しており、とりわけ強肩が光る。
これで3割10本前後を打つ打力も備えているのだから将来的にはモリーナのような存在になるかもしれない。





2014年4月17日木曜日

スタートダッシュに成功したチームは?

MLBが開幕し半月が経過したが、当然好調なチームと不調なチームが出てくる。
例年のように今季も現状は下馬評通りの順位にはなっていない。
今好調なチームが今後も調子を維持し続けるのか、それとも不調なチームが盛り返してくるのか。
現在の戦力などから今後の展望などを分析していきたい。

まずは最もスタートダッシュに成功しているチームだが、これは言うまでもなくブルワーズだろう。
元々強力打線による得点力に加え、ここまでは投手陣も絶好調で防御率はMLBでトップ。
これはガヤルド、ローシュ、ペラルタ、ガーザ、エストラーダと先発ローテーションを担う投手がことごとく好投していることに加え、これまで大きな弱点となっていたリリーフが絶好調であることが大きな要因だ。
つまり現状投手陣に大きな弱点がない。
しかも先発投手が誰か故障した際には現在リリーフとして好投している若手のソーンバーグを先発に回すこともでき、絶対的エースこそいないもののかなり魅力的な投手層が形成されている。

自慢の打線の方はどうかというと、少なくとも爆発はしていない。
しかしブラウンは強打を取り戻しつつあり、ラミレスやゴメスも好調だ。
後はセグラやデイビスといった若手がどれだけ結果を残してくるかだが、他にもブレイクを期待できる若手がいるためポテンシャルが高い。
若手がブレイクとまではいかなくても、ルクロイに上記3選手を加えた実績ある野手が引っ張っていくことができるだろう。

今のところはこれといった弱点も見当たらず、むしろ野手のことを考えれば上がり目もある。
今後も投手が即崩れでもしない限りは調子を維持し続けるはずだ。


他にもブレーブスやアスレチックスなどの地区優勝候補が好調な他、ジャイアンツも意外な活躍を見せている。
しかしジャイアンツに関しては強力なリリーフによって接戦をものにしているだけで、リンスカムやボーグルソンが好成績を残せない先発ローテーションや爆発力のない打線がどこかで大きなブレイクでもしない限りは今後調子を落としていく可能性が高い。


逆にスタートダッシュに失敗したチームはというと、カブス、アストロズ、マーリンズに加えて意外なことに地区優勝候補のダイヤモンドバックスやレッドソックスも不調だ。

ダイヤモンドバックスは投手陣が崩壊していることが大きな要因であり、特に先発ローテーションは本当に崩壊してしまっている。
新たに獲得したアローヨがボロボロなのも誤算だったが、昨季エース級の活躍を見せたコルビンがトミー・ジョン手術で全休になってしまったのも大きな痛手だ。
シーズン中盤にはマイナー最高の投手ブラッドリーが昇格してくる予定だが、ケーヒルやアローヨ、マッカーシーといった実績ある投手らが復調しないことには浮上はありえないだろう。
ゴールドシュミット、トランボのいる打線は今は可もなく不可もなくといったところだが今後の上がり目が大きいため、得点力はリーグ上位クラスまで上昇することが期待できる。

レッドソックスは打線が当たっていないのが要因だが、今不調の選手はそのうち調子を取り戻すであろう実績ある選手ばかりだ。
むしろブラッドリー、ボガーツ、そしてXファクターになり得るサイズモアあたりの活躍度が鍵になってくるだろう。
投手にも実績ある選手が揃い、上原や田澤らが担うリリーフは相変わらず強力。
主力が相次いで怪我でもしない限りは、最終的に上位につけている可能性は高いだろう。



田中 カブス打線を8回完封

もしかすると田中は日本人投手史上最高のメジャー1年目を過ごすことになるかもしれない。
カブスとの一戦に登板した田中はあまりにも圧倒的な投球を見せた。

8.0回 2安打 0失点 1四球 10奪三振 0被本塁打

若く未熟な選手が多いカブス打線とは言え、これだけ支配的な投球をできる投手はそうそういない。
なにより8回を投げてもこれまで同様107球という少ない球数で終えられたことを評価したい。
まだそれほど試合数をこなしていないにも関わらず田中はすでにメジャーに順調しているのだ。
ただ今回は登板感覚が日本時代のように長くあいたことも好影響を及ぼしているだろう。
ダルビッシュもそうだが基本的に日本人先発投手は中4日より中5日以上あいたときのほうがパフォーマンスがいい。
これから登板を重ねるにつれ疲れもデータもたまっていくことになるが、それでもなお崩れることなく投げ続ければ今季中に彼がニューヨークのエースになることも可能なはずだ。
メジャー初完封を見れる日もそう遠くないだろう。


チーム別キープレイヤー〈ナ・リーグ西地区〉

【ロサンゼルス・ドジャース】
◯ヤシエル・プイグ(23)
昨季一大旋風を巻き起こした若きキューバ人外野手だが、オフには無謀運転で逮捕されるなど精神的に未熟な部分が多々見られる。
それはプレーにも現れており、今後それがどういう影響を及ぼしていくかが心配なところ。
スプリングトレーニングでは絶不調に陥っており、ドジャースの大きな得点源だけに彼の不調が打線に与える影響は大きい。
とは言えポテンシャルはスーパースター級で、本来の力を発揮できればフルシーズンで3割30本20盗塁くらいはやってくれるだろう。

◯マット・ケンプ(29)
あれだけの大活躍を見せたスーパースターはどこへ行ったのやら。
2012年に故障して以来彼は本来のパフォーマンスを発揮できなくなっている。
ラミレス、プイグ、クロフォード、ゴンザレスなどが揃う打線に以前のケンプが戻ってくればとてつもない打線になること間違いなしなのだが、未だそれは実現されていない。
彼が不良債権化すれば、ドジャースは大きな負債を抱えることになりかなりの痛手になってしまうためなんとか万全の状態でプレーしてほしいところだ。


【サンフランシスコ・ジャイアンツ】
◯ブランドン・ベルト(25)
マイナーで大活躍しファンの期待を一身に背負ってメジャー昇格したはいいものの、本拠地のせいもあってそれほど目立った活躍を出来ずにいた。
しかし昨季は終盤に大活躍し、今季もすでに5本塁打するなどブレイクの兆しを見せている。
ジャイアンツは打線、特に長打力の欠如が弱点だったがベルトが30本近く打てば打線は活性化し、主軸のポージー、ペンスらの負担も減るだろう。

◯マット・ケイン(29)
これまで大車輪の活躍を見せてきたが昨季はついに成績を落としてしまった。
しかし本格的に低迷しているリンスカムとは違い、まだ復活の目はある。
現状ライバルであるドジャースに大きく劣っている投手陣だが、ケインが復活しなければバンガーナー以外が不安定な非常に脆いローテーションになっってしまう。
彼が昨季とあまり変わらないパフォーマンスならばチームも上位進出は難しくなるだろう。


【アリゾナ・ダイヤモンドバックス】
◯マーク・トランボ(28)
新加入のトランボはパワーに関してはメジャーでも有数のレベルにあり、アリゾナへと移籍したことで打撃成績は向上するはず。
ゴールドシュミットとトランボが強打のデュオとして2人で70本以上打つことができればおのずと得点力も向上していくだろう。
ただし打撃の精度自体はゴールドシュミットに遠く及ばないレベルであり、不調に陥ればどん底にまで落ちてしまうためどれだけ波をなくせるかが課題になる。

◯ミゲル・モンテロ(30)
リーグ有数の捕手だったが昨季の低迷で一気に陥落してしまった。
課題になるのはやはり対左投手。
左の強打者がほとんどいないダイヤモンドバックス打線においてモンテロが活躍すればアクセントになる。
守備面での負担も大きいが、なんとか復活してもらいたい。


【コロラド・ロッキーズ】
◯ノーラン・アレナード(23)
ロッキーズ打線は非常に強力だ。
それはもちろん本拠地の加護を受けているからでもあるが、トゥロウィツキーやゴンザレス、ロザリオなど本質的に強打者が多い。
今季もおそらく強打のチームとしてやっていくことになるが、ここまで来れば強打を極めたいところ。
そのためにはルーキーながらゴールデングラブ賞を獲得したアレナードが打撃でも活躍する必要がある。
打撃でもポテンシャルは高く、本拠地の特性をうまく利用すれば3割20本を打てるだろう。
そうなればトゥロとの攻守にわたって最強の三遊間が出来上がる。

◯ヨーリス・チャシーン(26)
数少ないコロラドで結果を残せる投手であり、アウェイでの成績だけ見ればエース級と少々気の毒な投手でもある。
しかし今季はDLスタートで相変わらず怪我が多い。
現状貧弱なロッキーズローテーションで最もエースになれそうな投手なだけに、とにかく今後は怪我なく過ごしてもらいたいところ。


【サンディエゴ・パドレス】
◯ヨンダー・アロンゾ(27)
期待されながらもこれまでのキャリアで二桁本塁打すら記録できていない。
これはもちろんペトコ・パークの影響もあるのだろうが、どうにも長打に欠けるこの状態はそろそろ打開せねば安泰ではない。
場合によってはより長打を期待できるブランクスにポジションを奪われるかもしれないが、ポテンシャルを考えるとそろそろブレイクの兆しは見せて欲しいところだ。

◯アンドリュー・キャッシュナー(27)
昨季は先発ローテーションに定着し飛躍の年となったが、特に後半の活躍ぶりには目覚ましいものがあった。
個人的にはかなり期待していた投手で、今季も今のところは大活躍といっていいだろう。
問題はこの活躍を一年続けられるかだが、ペトコ・パークの性質を考えれば最後までパフォーマンスを維持してもおかしくないだろう。
打線の援護は期待できそうにないが、おそらく最終的にはエース級の投球内容を残すはずだ。


2014年4月16日水曜日

チーム別キープレイヤー〈ナ・リーグ中地区〉

【セントルイス・カージナルス】
◯コルテン・ウォン(23)
カージナルスは30本塁打を期待できるような強打者はホリデイくらいしかいないが、彼やモリーナ、アダムズが担う主軸は勝負強く心強い。
となると打線で重要になるのは当然1,2番の打者。
1番のカーペンターは出塁能力抜群のリードオフマンだがスピードに欠けるため、2番を打つウォンがどれだけスピードを活かせるかで後ろを打つ打者の打点も変わってくるだろう。
長打力にはあまり期待できないが小兵タイプらしく出塁し足で引っ掻き回す活躍を見せたい。
また主力があまり若くないためチームの高齢化を避けるためにも彼の成長は重要だ。

◯マイケル・ワカ(22)
昨年のプレーオフでの活躍ぶりは記憶に新しいが、このレギュラーシーズンでは昨季のミラーのような活躍を期待したい。
非常に安定感があり、状況次第ではいきなりローテーションの2番手として活躍できるはずだ。


【シンシナティ・レッズ】
◯ビリー・ハミルトン(23)
名が知れ渡り、100盗塁を期待されているスピードスターだが開幕メジャーでスタートしてかなり苦しんでいる。
危惧されていたように打撃がネックとなっており、出塁ができずスピードを活かせていない。
最初の壁にあたっているわけだがどこかで適応し、少なくとも3割2分は出塁できるようになれば他球団にとってはやはりかなりの脅威になるはずだ。
彼が塁上にいることでボットーやブルースの打撃にもいい影響が出るだろう。
しかし彼の調子がこのまま上がらずマイナー落ちすれば一気にスピードのない打線になり、得点力はチューのいた昨季より落ちる可能性が高い。

◯トニー・シングラニ(24)
昨季デビューし便利屋として奪三振マシーンぶりを発揮したが、今季は先発ローテーションに固定される。
重要な左投手だが、気になるのは70%以上を速球に頼る投球スタイル。
特徴的なフォームで威力のある速球を持つが、このスタイルはともすれば単調になりがち。
前半戦はそれでうまくいくかもしれないが、こういった投手は後半に大きく成績を落とすことも多い。
おそらくプレーオフ争いをするであろうレッズにとってシングラニが後半も活躍できるかどうかは鍵になるだろう。


【ピッツバーグ・パイレーツ】
◯スターリング・マルテ(25)
昨年MVPのマッカッチェンを擁するパイレーツ打線だが、彼が未だに100打点にすら到達したことがないのは彼をサポートする打者の力量不足が原因だった。
しかしマルテの台頭で外野守備が強化され、リードオフマンとして理想のスピードが打線に備わった。
しかしまだ絶対的リードオフマンとなるには打撃の洗練度に欠けるため、今後のマルテの課題は出塁力と盗塁精度の向上だ。
特に打撃の粗さはなんとか改善し、三振を減らして出塁率も.360程度までは上げたい。

◯ペドロ・アルバレス(27)
強力な投手力を持つパイレーツが地区優勝を狙うために必要不可欠なのは打力だ。
今まで得点力があまり高くなかった要因は長打力不足にあったが、この打線においてマッカッチェン以外でその問題を解決する可能性があるのは現状アルバレスしかいない。
昨季は本塁打王に輝くなど長打力があるのは結構なことだが問題は打撃自体が粗いことにある。
低打率で三振も多い強打者と言うとアダム・ダンが思い浮かぶのだが、アルバレスは彼のような出塁力を持っているわけではなく、これだけの長打力がありながら未だにOPS.800を超えたことがない。
そろそろ一皮むけて、打率を上げるなり出塁率を上げるなりしなければ、典型的な粗いパワーヒッターとして驚異的な4番打者になれずに終わってしまうだろう。
しかし彼の成長次第ではマッカッチェンとのデュオは抜群の得点力を持つはずだ。


【ミルウォーキー・ブルワーズ】
◯ライアン・ブラウン(30)
薬物騒動で今や現役選手ではA・ロッドについでダーティなイメージがついてしまったブラウン。
チームのためにも彼自身のイメージ回復のためにも今季は薬物抜きで今まで通りの好成績を叩きださなくてならない。
ブルワーズ打線は非常に強力なだけに、彼が再び絶対的主砲として活躍すれば打線の力だけでもプレーオフ争いに参戦できるポテンシャルを秘めている。

◯ヨバニ・ガヤルド(28)
昨季は不調に陥り、チーム低迷の一因になっただけでなく4年連続で続けていた200奪三振も途切れてしまった。
今季は心機一転と行きたいところだが、昨季ローシュ、今季加入したガーザ、2年目でブレイクの気配を漂わせているペラルタやソーンバーグなどブルワーズには期待できる投手が多い。
しかしこの中でやはりエースとして最も期待できるのはガヤルドであり、彼がローテーションを引っ張っていかなければならない。
彼の投球が2011年頃の水準に戻れば、ブルワーズは台風の目になる可能性も十分にあるはずだ。


【シカゴ・カブス】
◯スターリン・カストロ(24)
絶賛再建中のカブスにとって重要なのは豊富な若手野手が青写真通りに成長してくれること。
その中で予想外だったのは長期契約を結んだカストロが昨季大きく低迷してしまったことだ。
打撃で一皮むけるのはもちろんのこと、そろそろ身体能力を活かした守備の精度も向上させてほしいところ。
攻守ともに要になる存在だけに、今季は3割30二塁打20盗塁は最低でも達成しておきたい。

◯アンソニー・リゾー(24)
マイナーでは圧倒的だった打撃は少々苦しんではいるもののメジャーでも通用している。
そろそろ30本塁打超えの本格ブレイクといきたいところだが、打撃スタッツを向上させるためには対左投手でのパフォーマンスを改善させなくてはならない。
スプリングトレーニング、そして開幕して間もないレギュラーシーズンでも今のところは左投手をそれほど苦にしていない。
これが本物ならば一気にオールスター級打者になることもあり得るだろう。


2014年4月12日土曜日

進化するダルビッシュ 8回を1安打無失点で圧倒

DL入りでスタートには遅れたダルビッシュだが、今季本拠地初登板となったアストロズ戦でまたしても圧倒的な投球を見せた。

8.0回 1安打 0失点 1四球 9奪三振

前回のレイズ戦に続き、昨季に比べると奪三振はやや少なめだ。
しかし投手としては洗練されていると感じるのは、8回を101球という少なさで終えたことだ。
これは四球が少ないのはもちろんのこと、ストライクゾーンで積極的に勝負できているからこそなせる技だ。
残念ながら試合の方は相手先発投手フェルドマンの好投(レンジャーズ打線が沈黙したと言い換えてもいいかもしれない)によって0対0のまま延長にもつれ込み、勝ち星はダルビッシュのものにはならなかった。
しかし言うまでもなく今季ここまでのパフォーマンスは圧倒的。
2試合で15.0回を投げ無失点、しかも2四球15奪三振という数字はダルビッシュがサイ・ヤング賞の最有力候補であることを 改めて実感させてくれる。
この2試合の相手は強力打線とは言いがたく、オールスター級の打者とはロンゴリアくらいしか対戦していない。
しかもアストロズ打線は不調な打者ばかりの輪をかけた貧弱さで、ダルビッシュの実力と相性を考えれば好投して当然の相手といえる。
とは言え、ここまでの投球を見せてくれれば期待せざるを得ない。

次の対戦相手は好打者カノーに加え一発のある打者が複数揃うマリナーズで、本拠地での登板になる。
マリナーズはここまで好調で、しかも先発投手は今日7回11奪三振の好投をしたヘルナンデスになるだろう。
投手戦は必至だがこの試合で今季のダルビッシュの本当の実力がわかるはずだ。




2014年4月10日木曜日

田中将大本拠地デビュー!

前回メジャー初登板で見事初勝利を掴んだ田中がついに本拠地デビューも果たした。
結果は

7.0回 7安打 3失点 1四球 10奪三振 1被本塁打

メジャー2戦目にして10奪三振に加え、またもや1四球と非常にいい内容だったが、被本塁打は2試合連続。
メジャーの打線は1番から9番まで一発の怖さがあるとは日本でよく言われているが、実際その通りで前回は1番のカブレラに先頭打者本塁打され、今回は9番の有望株スコープに先制本塁打を浴びた。
おそらく今後も失投を本塁打されるケースは多くなるだろうが、今回も7回を101球とやはりボールに苦しんでいる様子はない。
三振もしっかりとれており、このままいけば内容的には少なくとも1年目のダルビッシュ以上のものが期待できるのではないだろうか。
莫大な年俸から、最低ラインは200回 防御率3点台中盤あたりと見られているが、実際にこれをクリアする可能性が高くなってきた。
現実的には奪三振力の高い黒田といったような成績になるのではないだろうか。


2014年4月9日水曜日

チーム別キープレイヤー〈ナ・リーグ東地区〉

【アトランタ・ブレーブス】
◯エヴァン・ギャティス(27)
攻守の要だったマキャンが抜けた穴は大きい。
その穴を早急に埋められる可能性があるのがギャティスであり、彼が完全に正捕手に定着することができれば少なくとも攻撃面においては大きな戦力低下にはならないだろう。
守備はこれからの成長に期待するとして、今季の打撃成績のノルマは20本塁打といったところだ。

◯ジェイソン・ヘイワード(24)
チームとしてはなんといってもこの選手のブレイクが待ち望まれる。
他にスピードと出塁力のある打者があまりいないため、ヘイワードは上位でフリーマンの前に出塁する役目を果たす必要がある。
怪我の多さと伸び悩みから脱却するか否かの分かれ道にさしかかっているのかもしれない。


【ワシントン・ナショナルズ】
◯ブライス・ハーパー(21)
史上最高級の大器と言われながら怪我や弱点などもありまだブレイクはしていない。
とは言え21歳と言えば普通の選手ではまだマイナーでプレーしているあたり。
年齢的には十分な活躍なのだが、そろそろトラウト級の活躍を見せてもらいたいところ。
ナショナルズは打線のタレントも揃いつつあるため彼のブレイク一つで一気に強力打線になる。

◯スティーブン・ストラスバーグ(25)
こちらも史上最高級の大器との評価だったが、未だ200イニングにも到達したことがない。
投球内容がハイレベルなのは間違いなく、後は怪我なくフルシーズンを過ごすだけだ。
ナショナルズのローテーションは彼に加えてジマーマン、ゴンザレス、フィスターと実績のある強力な投手が揃う。
ここでストラスバーグがついにサイ・ヤング賞争いに参加するようになれば、昨季のタイガース以上の超強力ローテーションが出来上がるだろう。


【フィラデルフィア・フィリーズ】
◯ライアン・ハワード(34)
チームの得点力が劇的に上がるきっかけがあるとしたら、それはハワードの復活以外ありえないだろう。
この2年は怪我続きだが、それに年齢的な衰えも重なり20本塁打にすら届かない状態だ。
それでも大きな負傷さえなければ今でもRBIマシーンとして活躍することはできるはず。
不良債権化は避けられないが、嫌なイメージを少しでも払拭して今なお球場を訪れるファンに本塁打を打つ姿を見せたいところだ。

◯ドモニク・ブラウン(26)
悩める有望株がついにブレイクかと思わせた昨季だったが、後半にかけて大きく失速してしまった。
それでも高齢化の進むフィリーズにおいては数少ない若き希望であり、今季は30本塁打超えを期待される。
逆に彼が再び低迷した場合はフィリーズファンはどん底に突き落とされることになるだろう。


【ニューヨーク・メッツ】
◯アイク・デイビス(27)
大砲候補として期待されながら未だ安定した成績を一年通して残したことはない。
2012年には低打率ながら32本塁打を記録したように万全なら長打を量産できる。
チームにはあまり厚遇されていないが、ライト、グランダーソンとともに強打者トリオ形成なるか。

◯ザック・ウィーラー(23)
昨季大ブレイクしたハービーと同じように2年目の大爆発に期待したい。
元々エース候補の本格派として評価が高く、メッツにはベルトランとの1対1のトレードで加入した。
今後メッツはハービーが怪我から復帰し、今季中に有望株のシンダーガードが昇格すればエース級投手の三本柱が完成することになる。
他にもニース、ジー、メヒーアといった若い先発ローテーションを今後充実させていくためにもウィーラーが今季3番手クラスの活躍をすることは必須だ。


【マイアミ・マーリンズ】
◯ジャンカルロ・スタントン(24)
このチームで唯一といっていいMVPの可能性がある野手だ。
怪我多く実はこの4年間で1度も100打点に到達していない。
今季は将来を嘱望されるイェリッチや強打のサルタラマッキアなどもおり、初の30本100打点に期待したい。
彼の本塁打はファンのオアシスになるだろう。

◯ネイサン・イオバルディ(24)
リーグトップクラスの球速を誇るが、最大の課題は奪三振率の低さ。
これがブレイクを妨げているのだが、今季はスプリングトレーニングから奪三振率が向上している。
これが一時的なものなのか成長なのかはわからないが、もし後者ならばフェルナンデスに続くマーリンズの若手投手のブレイクが見れるはずだ。





2014年4月8日火曜日

チーム別キープレイヤー〈ア・リーグ西地区〉

【ロサンゼルス・エンジェルス】
◯ジョシュ・ハミルトン(32)
大型契約コンビのプホルスとハミルトン、プホルスの方はもはや衰えということであまり大きな期待はできないが、ハミルトンは爆発の可能性が十分にある。
不振の昨季は全く期待に答えられなかったが終盤には復調の気配を見せるなど、今季はある程度復活するかもしれない。
プホルスが相変わらずの場合は出塁したトラウトをホームに返す役割を一身に担うため、エンジェルスの得点を左右する存在だ。

◯タイラー・スキャッグス(22)
若手有望株が少ないエンジェルスにおいて、オフに獲得したスキャッグスがどの程度の投手になるのかは重要事項だ。
先発では速球派のリチャーズも育ってきているとは言え、優勝を狙うためにはウィーバー、ウィルソンに次ぐ存在が必須。
リチャーズ、サンティアゴ、スキャッグスの20代トリオの誰かにその役目を担ってもらいたいところだがポテンシャルの高さを考えるとやはりスキャッグスが最も期待できる。


【テキサス・レンジャーズ】
◯プリンス・フィルダー(29)
ハミルトン放出で得点力が大きく落ちたレンジャーズ打線待望の左の強打者であるフィルダーは昨季成績を大きく落とした。
それでもヒッターズパークを本拠地とするレンジャーズに来れば打撃成績はまた上がるだろうとチームは踏んでいる。
全盛期のハミルトン級とは言わないまでも、再び40本近い本塁打を放つことができればおのずとチームの得点力は浮上するはずだ。

◯シンス・チュー(31)
彼はリードオフマンに必要なスピードと出塁力という両方のツールを兼ね備えている。
完璧な打者というわけではないが、出塁力の高さに関してはMLB最高クラスであり、フィルダー、ベルトレ、リオスという強力な打者が中軸を務めるレンジャーズにおいて彼の存在はかなり大きくなるはずだ。
逆に彼が不振に陥るとアンドルース、マーティン、プロファーといった若く出塁力の高くない選手たちにリードオフを任せることになり、得点力は半減してしまうだろう。


【シアトル・マリナーズ】
◯ロビンソン・カノー(31)
若手が多く安定感に欠けるであろう今季のマリナーズ打線はよくも悪くもカノー次第。
絶対的な存在のカノーは攻守ともに大きく貢献してくれるだろうが、左打者に有利なニューヨークからボールの飛びにくいシアトルへとやってきたことで打撃成績の悪化は避けられないはず。
カノーの打撃成績はチームの成績に直結するため、せめて3割20本は維持したいところ。

◯タイワン・ウォーカー(21)
MLBの若手投手の中でも5本指に入るポテンシャルの持ち主で、順調に育てばエース格になることは間違いなしだろう。
今季は実質1年目となるがDL入りスタートとなっており、今はマイナーでのリハビリ中。
ヘルナンデス、岩隈という2本柱のいるマリナーズがウォーカーを含めた3本柱へとアップグレードすることができればプレーオフはグッと近づく。


【オークランド・アスレチックス】
◯ヨエニス・セスペデス(28)
次々と伏兵的選手が好成績を残すことで常にプレーオフを視野に入れているアスレチックスだが、大本命のセスペデスにはそろそろブレイクしてもらわなければ困るところ。
キューバ出身選手がMLBを席捲する中、置いてきぼりをくらわないように30本塁打や100打点といった節目の数字を残さないといけない。
アスレチックスの野手の中では最もスターになりそうなポテンシャルを持っているだけに昨季のドナルドソンのように打線を引っ張る活躍を期待したい。

◯ソニー・グレイ(23)
昨季デビューしたばかりの小柄な若手投手だが、彼にはエースになるポテンシャルが間違いなくある。
パーカーが今季全休となってしまったためグレイの負担は大きくなるだろうが、プレーオフ進出のめにも彼のブレイクは必須だ。


【ヒューストン・アストロズ】
◯ジョージ・スプリンガー(24)
この地区で最も優勝から遠い再建期のアストロズにおいては、将来を担う若手がキープレイヤーになってくるだろう。
その中でもとりわけ期待度が高いのが今季メジャーデビューを予定されているスプリンガーにほかならない。
昨季はマイナーで37本塁打 45盗塁を記録しており、走攻守すべてにおいてスター性にあふれている。
彼がデビューして活躍すればアストロズの描く青写真にも色がついてくる。

◯ジャレッド・コザート(23)
球威があり、将来のエース候補の一人。
昨季は結果は良かったものの三振が少なく四球が多いという内容は今ひとつの状態だった。
今季はそのどちらかを改善して成長の跡を見せたいところ。
目下の目標は1年間ローテーションを守り切ることだが、予想外の好成績を残すこともあり得る。

2014年4月7日月曜日

ダルビッシュ 今季初登板は7回無失点の好投

いきなりDL入りスタートと出遅れてしまったダルビッシュだが、レイズ戦に今季初登板し、流石はサイ・ヤング賞最有力という安定した素晴らしい投球を見せた。
内容は
7回 7安打 0失点 1四球 6奪三振 0被本塁打

良かったのはもちろん制球面。
1四球という結果もそうだが球数も7回で89球とかなり少なめに抑えられている。
その分三振は減ったのだが投球の質自体は向上していると考えていいだろう。
この試合ではメジャー通算500奪三振も達成し、今季は昨季より洗練されたダルビッシュが見られそうだ。



チーム別キープレイヤー〈ア・リーグ中地区〉

【デトロイト・タイガース】
◯ビクター・マルチネス(35)
フィルダーとトレードで加入したキンズラーは出塁機会は増やしてくれるだろうが、肝心のカブレラが勝負を避けられては意味が無い。
そこで重要なのはカブレラの後ろを打つマルチネスが、どれだけ怖い打者になれるか。
フィルダーのように一発が怖いタイプの打者ではないが、得点圏で確実に仕事をするクラッチヒッターになれればカブレラが勝負を避けられるケースも減り、結果的にチームの得点につながる。
昨季後半のような活躍を期待したいが年齢的にももうそこまで期待するのは酷か。

◯ジョー・ネイサン(39)
タイガースの先発投手は強力。
しかしリリーフというわかりやすい弱点もある。
ロンドン(TJ手術で今季全休)やアルバカーキーといった若手投手が育ってきている反面、ベノワを放出したことで信頼できる実績を持つ投手が新加入のネイサンしかいないのが現状だ。
チームがプレーオフに進出するのは当然として、昨季最後まで勝ち残ったレッドソックスとカージナルスにおいて印象的だったのはどちらも絶対的クローザーを擁していた点。
タイガースもプレーオフを勝ち上がるにはネイサンが絶対的な存在になる必要がある。


【クリーブランド・インディアンス】
◯ジェイソン・キプニス(27)
インディアンス打線には、プレーオフ進出を目指すためにスターといえる選手不在の現状を改善する必要がある。
昨季加入したスウィッシャーやボーンがぱっとしない活躍だったわけだが、近年育ちつつあるキプニスはともすればリーグ最高の二塁手になれるポテンシャルを備えている。
打線を活性化するためにサンタナと2人でチームを引っ張っていくことが期待される。

◯ジャスティン・マスターソン(29)
インディアンスは無名ながらも優秀な先発投手が揃っているチームだ。
その筆頭がエースであるマスターソン。
昨季はオールスターにも出場しているが、これまでのキャリアではいまいち印象的な活躍をできておらず、昨季の投球内容とスプリングトレーニングでの好調ぶりを見るについに全国区へと名乗りをあげる時がやってきたようだ。
FAも目前でチームもプレーオフを狙えるとあって意気込みは抜群、サイ・ヤング賞のダークホースと考えていいかもしれない。


【カンザスシティ・ロイヤルズ】
◯マイク・ムースタカス(25)
ロイヤルズの得点力を大幅に底上げする可能性があるとしたら、昨季調子を取り戻したホズマーが本格的に活躍をするか、将来の本塁打王と期待されたムースタカスが大ブレイクを果たすかである。
ムースタカスは昨季同様スプリングトレーニングでは大活躍した。
彼が30本100打点するような活躍をみせれば、中地区の勢力図は変わるかもしれない。

◯ヨーダノ・ベンチュラ(22)
若手豪腕投手としてルーキーイヤーに挑むベンチュラは、新人王を狙える位置にいる。
小柄でリリーフ向きとも言われているが、この1年先発ローテーションを守りきればその候補には入ってくるだろう。
ローテーションにはシールズ、バルガス、ガスリーというワークホースがおり、ホランドを筆頭とするリリーフは相変わらずリーグ最高クラス。
ここにベンチュラが爆発力のある若手として加わればリーグ優勝ももはや夢ではなくなるだろう。


【シカゴ・ホワイトソックス】
◯ホゼ・アブレイユ(27)
MLBでも屈指の本塁打の出やすい球場を本拠地としながら昨季のホワイトソックスはリーグ最低の得点力に終わってしまった。
セールやキンターナといった若手が育ってきている投手とは違い野手にはスター選手といえる者がおらず、それが得点低迷の原因になっていたが、キューバ史上屈指の強打者アブレイユの獲得でそれも変わるはずだ。
チームにはラミレス、ビシエドという同じくキューバ出身の主力がおり、本拠地の特性を考えてもアブレイユにとって成績を残すためのベストな環境が出来上がっている。
彼が期待通りの活躍をすれば得点力は大きく改善されるはずだ。

◯アダム・イートン(25)
強力な主砲がいても、その前に出塁する選手がいなければ効果は半減してしまう。
その問題を解消するためにトレードで獲得されたのがイートンだ。
マイナー屈指の出塁能力の持ち主でスピードもあり、リードオフマンとしてはうってつけ。
アブレイユ、ダンらの前にランナーとして出塁すればチームの得点力アップにつながるだろう。


【ミネソタ・ツインズ】
◯アーロン・ヒックス(24)
今季に関しては5,6選手がブレイクしてようやく他チームと張り合えると言ってもいいくらいツインズの戦力的な充実度は低い。
それでもやはり若手がどれだけ活躍するかによってチームの将来像が変わってくるため、野手でキーになりそうなのはヒックスだろう。
ツインズの外野にはバクストンというトラウトにも匹敵すると言われる絶対的プロスペクトがいるが、それまでに少しでも外野を充実させるためには長らく有望視されてきたヒックスが打撃面である程度の結果を残さなくてはならない。

◯フィル・ヒューズ(27)
ヤンキースにおいては期待されながら結果を残せなかったにもかかわらずツインズは3年2400万ドルという大盤振る舞いを見せた。
本拠地との相性はいいはずだが、彼がここでも期待に見合う成績を残せなければ完全にツインズのお荷物になってしまう。
今後のツインズの将来設計を崩さないためにも3番手クラスのパフォーマンスは見せて欲しいところ。

2014年4月6日日曜日

チーム別キープレイヤー 〈ア・リーグ東地区〉

チーム別のキープレイヤーを2人ずつ紹介していく。

【ニューヨーク・ヤンキース】
◯田中将大(25)
彼がダルビッシュのなるのか井川になるのかがチーム成績にも大きく関わってくる。
うまくすれば今季中にエースになる可能性もあり、少なくともスプリングトレーニングではその素養を存分に見せている。
1年目は苦労するとの予想は多いが、強豪揃いのア・リーグ東地区とはいえ巨額の年俸を考えると黒田に近いレベルの活躍をしなければ周囲も納得しないだろう。

◯CC・サバシア(33)
昨季は大不振に陥ったもののオフに大減量しスプリングトレーニングでも活躍中と復活の期待はできる。
黒田、サバシア、ノバ、田中、ピネダというローテーションにおいて田中とピネダの2人は実績に乏しいため経験豊富なサバシアが引っ張っていく必要がある。
黒田も昨季終盤の失速と年齢的なものもあり、サバシアが復活しなければヤンキースは再びずるずると落ち込んでいくだろう。


【ボストン・レッドソックス】
◯ザンダー・ボガーツ(21)
新人王有力候補の一人だが、昨季のポストシーズンでの活躍は記憶に新しい。
新人らしからぬ選球眼があるため派手さはなくても堅実な活躍を見込めそう。
高齢化が進みつつあるチームにおいてペドロイアに次ぐフランチャイズプレイヤーになるべき存在であり、彼がガルシアパーラのような強打のショートとして活躍すれば今季だけでなく来季以降も安泰になる。

◯クレイ・バックホルツ(29)
昨季は出来過ぎだったとしても右のエースとして今季はローテーションを1年守りきる必要がある。
エルズベリー、サルタラマッキアが移籍したことでチームの得点力は昨季程は期待できないため投手、特に先発投手の安定感は重要になってくる。
その先発ローテーションのカギになってくるのがバックホルツだ。
彼が200回を投げられるようならレッドソックスは手がつけられなくなるかもしれない。


【ボルチモア・オリオールズ】
〇マット・ウィーターズ(27)
デイビス、ジョーンズ、ハーディといった強打者が並ぶオリオールズ打線において、さらに一段上の強力打線へと進化させるために必要なのがウィーターズのブレイク。
3年連続20本塁打と守備面も一流であることを考えれば十分な活躍をしているように思えるが、昨季は出塁率が初めて3割を下回るなど打撃は停滞し始めている。
4年連続の130試合以上出場など頑丈さがあるだけに彼が打撃でキャリアハイの活躍をすればオリオールズ打線は手が付けられなくなるだろう。

◯ウバルド・ヒメネス(30)
近年のオリオールズ最大の弱点だった先発投手は徐々に改善されつつあったが、エース不在という決定的な弱点は埋められなかった。
そこで獲得したヒメネスは当然エース級の活躍を期待される。
昨季後半戦はリーグ最高クラスのパフォーマンスだっただけに、今季は200回&防御率3点台前半&200奪三振をノルマとしたい。


【タンパベイ・レイズ】
◯ウィル・マイヤーズ(23)
主砲ロンゴリアが怪我がなければ活躍するのは当然のこととして、重要になってくるのはロンゴリアをサポートする打者の存在だ。
現状20本塁打以上を期待できるのはロンゴリア、ジョイス、ゾブリストくらいしかおらず、ジョイスに至っては左投手を極端に苦手にしている。
そこで打線の鍵となるのは昨季の新人王マイヤーズの活躍度だ。
彼が20本塁打以上、あわよくばロンゴリア級の活躍ができれば強力なコンビが出来上がり、万が一ロンゴリアが離脱した際にもこれまでのように極端な貧打にはならないだろう。

◯マット・ムーア(24)
おそらくプライスが移籍するであろう今後のレイズ先発陣において右のエースにはアーチャー、左のエースにはプライスが期待されているはずだ。
両投手ともに長期契約を結んでいるが、ある程度制球も安定しているアーチャーとくらべてどうにも不安定なムーアはこのままではプライスのようなエースにはなれないだろう。
不安定さ故に長いイニングを投げられず、このままではポテンシャルばかりが高い並の投手になってしまいかねない。


【トロント・ブルージェイズ】
◯ホゼ・バティスタ(33)
エンカーナシオンは2012年のブレイクがフロックではないことを昨季証明してみせた。
となると期待されるのは当然バティスタとエンカーナシオンの強打者コンビだ。
2人で80本前後は狙いたいところで、そのためには再びバティスタが40本超えを打つ必要がある。
彼がMVP争いに割って入るような活躍をすれば、低迷しているブルージェイズも、少なくとも打線は活気づいてくれるだろう。

◯ブランドン・モロー(29)
13年連続200回を記録しているバーリーはよくも悪くも今まで通りの安定感を見せるだろう。
一昨年のサイ・ヤング賞投手ディッキーは制球難に悩まされており今季もどうやらよくなさそうだ。
となるとエースになれそうなのはもはやモローくらいしかいないのがブルージェイズの惨状である。
このボロボロの投手陣においてモローが復活することができなければ打線がどれだけ頑張って下位は免れないだろう。

2014年4月5日土曜日

田中将大メジャーデビュー!

超大型ルーキー田中将大が開幕4戦目にしてついにメジャーデビューを果たした。
対戦相手はトロント・ブルージェイズ。
ホゼ・バティスタ、エドウィン・エンカーナシオンというMLB屈指の強打者が並ぶ打線は強力で、しかもトロントでの一戦ということで腕試しにはもってこい。

そして結果はというと
7回 6安打 3失点(2自責点) 0四球 8奪三振 1被本塁打
という上々の出来だった。

ただ完璧な投球だったかというとそういうわけでもない。
早速リードをもらった初回には好打者メルキー・カブレラにいきなり先頭打者本塁打を浴びるなどメジャーの洗礼はしっかりと受けた。
その後もエラー絡みで2失点したものの、やはり勝ち星のもとに生まれたのか味方打線の援護もあって田中は初勝利をあげた。

この試合先頭打者本塁打を浴びたのは残念ではあったが、それ以外についてはかなり良かったのではないか。
0四球8奪三振というところにはすでにメジャーに順応しているということを感じさせるし、7回をテンポのいい投球で97球で終わらせたということで、今後も長いイニングを投げられそうだ。
また強打者であり四球を選ぶ達人のバティスタを1度も出塁させることがなかった。
ブルージェイズ打線は全体的に不調の選手が多かったとはいえ、初戦でこれだけの結果を残せたというのは今後にかなり期待できるだろう。

ちなみにこの試合では新加入のエルズベリーが3安打1四球2盗塁という大活躍をしただけでなく、イチロー3安打で田中を援護した。
またイチローの内野安打が今季から導入されたチャレンジシステムでセーフになるなど、こちらも”ルーキー”が活躍。

田中の次の登板は強打のオリオールズ相手。
本拠地でのデビュー戦ということになるが、ここから未知の中4日のレギュラーシーズンが始まる。
どのように適応していくのか見ものだ。


2014年4月4日金曜日

2014年新人王候補5傑〈ナ・リーグ編〉

今回はナ・リーグ編だ。
○はポジティブな要素、☓はネガティブな要素、△はどちらにもなり得る要素を表す。


ビリー・ハミルトン(23)―レッズ
◯盗塁という絶対的アドバンテージがあり、盗塁王の有力候補。
◯レッズの外野が充実しているわけではないので出場機会は多い。
◯本拠地は打者有利。
◯スプリングトレーニングでは好調。


トラビス・ダーノー(25)―メッツ
◯捕手ということで打撃以外の部分でアドバンテージの評価がつきやすい。
☓デビューイヤーとなった昨季はメジャーで結果を残せなかった。
☓打撃以外の面で負担が大きい。
☓本拠地が打者に不利。
☓他の候補に比べ投票時年齢的に不利。


アーチー・ブラッドリー(21)―ダイヤモンドバックス
◯打線の援護を得やすい。
☓本拠地が投手に不利。
☓開幕はマイナースタート。


ジェイムソン・タヤン(22)―パイレーツ
◯リリーフが強力。
☓開幕はマイナースタート。
☓打線の援護はそれほどない。


オスカー・タベラス(21)―カージナルス
◯野手で若いため投票の際に評価されやすい。
◯打撃について必要な要素を高いレベルで備えている。
☓すでに怪我が多い。
☓メジャーデビューはやや遅れそう。

2014年新人王候補5傑〈ア・リーグ編〉

サイ・ヤング賞、MVPに続き新人王の有力候補を紹介する。
○はポジティブな要素、☓はネガティブな要素、△はどちらにもなり得る要素だ。


田中将大(25)―ヤンキース
○スプリングトレーニングでは前評判通りの活躍。
○怪我がなければシーズンを通してローテーションを守れる。
☓プレー面だけでなく私生活でも環境の変化に適応する必要がある。
☓ヤンキースでの巨額契約という非常に大きいプレッシャー。
☓本拠地が投手に不利。
☓日本でのキャリアと年齢から新人として厳しく見る投票者もいる。


ホゼ・アブレイユ(27)―ホワイトソックス
○キューバでのキャリアは圧倒的。
○本拠地が打者有利であり、適応すれば40本近い本塁打を記録することもあり得る。
☓貢献度が高いのは打撃のみになりそう。
☓スプリングトレーニングでは打撃の粗さも見せた。
☓キューバでのキャリアと年齢から新人として厳しく見る投票者もいる。


ザンダー・ボガーツ(21)―レッドソックス
○遊撃手のため守備面でも高く評価される。
○打撃に落ち着きがあり、すでにワールドシリーズ制覇にも貢献している。
○若いため投票の際にやや有利。
☓守備・走塁はそれほどレベルが高くない。


ニック・カステラノス(22)―タイガース
○高打率を残すポテンシャルがある。
○スプリングトレーニングでも能力を遺憾なく発揮。
☓守備には課題がある。
☓パワーに関してはそれほど評価は高くない。
☓四球はあまり選ばない。


タイワン・ウォーカー(21)―マリナーズ
○メジャーデビューした昨季は好投。
○本拠地が投手有利。
○若いため投票の際にやや有利。
☓いきなりDL入りスタートとなり出遅れている。



2014年4月3日木曜日

2014年MVP候補10傑〈ナ・リーグ編〉

今回はナ・リーグ編。
◯はポジティブな要素、☓はネガティブな要素、△はどちらにもなり得る要素だ。


ポール・ゴールドシュミット(26)―ダイヤモンドバックス
◯徐々に成長しており昨季完全にブレイク。
◯打撃だけでなく守備・走塁での貢献度も高い。
◯本拠地が打者有利。
☓スプリングトレーニングでは不調。
☓チームが地区優勝するためにはドジャースが大きな障害。


ブライス・ハーパー(21)―ナショナルズ
◯ポテンシャルの高さは言うまでもなく本格ブレイクの年になる。
◯走攻守すべてでハイレベルなパフォーマンスを発揮できる。
☓プレースタイル的に怪我のリスクが低くない。
☓左投手を極端に苦手にしている。
☓スプリングトレーニングでは不調。


アンドリュー・マッカッチェン(27)―パイレーツ
◯走攻守すべてでハイレベルなパフォーマンスを発揮できる。
◯スプリングトレーニングではさらに洗練された打撃を披露。
◯頑丈で150試合後半の出場が見込める。
☓打線はあまり強力ではなく100打点を超えたことがない。
☓盗塁に関しては失敗も少なくない。


ジョーイ・ボットー(30)―レッズ
◯本拠地が打者有利。
◯5年連続で打率3割・出塁率4割をクリアしており安定感はMLB最高クラス。
◯守備力も高い。
☓極端な待球スタイルのため本塁打・打点をあまり稼げない。
☓スプリングトレーニングでは不調。


ヤディアー・モリーナ(31)―カージナルス
○守備貢献度は捕手として最高クラス。
◯近年は打撃が安定しており、今季も一定の成績が見込める。
☓捕手のためタイトルに絡む活躍が難しい。


バスター・ポージー(27)―ジャイアンツ
◯攻守ともにハイレベルな貢献度。
◯打撃力は捕手として最高クラス。
◯一塁手として出場することもあり出場試合数は多い。
☓本拠地が打者にとって不利。
☓チームが地区優勝する可能性が高くない。


デビッド・ライト(31)―メッツ
◯走攻守において貢献度が高い。
☓怪我が多く長期離脱する可能性もある。
☓スプリングトレーニングでは不調。
☓チームの地区優勝の可能性はかなり低い。


カルロス・ゴンザレス(28)―ロッキーズ
◯昨季は内弁慶を解消し打撃の質が向上。
◯本拠地が超打者有利。
◯走攻守すべてでハイレベルなパフォーマンスを発揮できる。
◯スプリングトレーニングでも好調。
☓毎年怪我が絶えない。
☓チームの地区優勝の可能性は低い。


トロイ・トゥロウィツキー(29)―ロッキーズ
◯遊撃手として攻守ともに最高クラス。
◯本拠地が超打者有利。
☓毎年怪我が絶えない。
☓チームの地区優勝の可能性は低い。


フレディ・フリーマン(24)―ブレーブス
◯打撃の安定度は高い。
◯守備力も高い。
◯スプリングトレーニングでは好調を維持。
△チーム史上最高の契約を結んだことによるプレッシャー。

2014年4月2日水曜日

2014年MVP候補10傑〈ア・リーグ編〉

サイ・ヤング賞候補10傑に続き、今回はMVP候補10傑をお送りする。
◯はポジティブな要素、☓はネガティブな要素、△はどちらにもなり得る要素だ。


マイク・トラウト(22)―エンジェルス
◯スプリングトレーニングでは圧巻の活躍。
◯守備位置がセンターに固定される。
◯走攻守すべてにおいてハイレベルな活躍を期待できる。
△長期契約を結んだことによるプレッシャーと気の緩みの可能性も。


ミゲル・カブレラ(30)―タイガース
◯打撃においては疑いなく現役最高。
◯スプリングトレーニングでも好調を維持。
◯ファーストに戻ることで守備負担が軽減される。
☓守備・走塁での貢献度が低いため評価されるのは打撃のみ。
☓フィルダーの移籍により勝負を避けられるケースが多くなる。


ホゼ・バティスタ(33)―ブルージェイズ
○スプリングトレーニングでは好調。
○フルシーズン出場すれば本塁打・出塁率はリーグ最高クラスに。
☓怪我が多く、長期離脱する可能性が低くない。
☓高打率はあまり望めない。


クリス・デイビス(28)―オリオールズ
◯スプリングトレーニングでは好調。
◯本塁打王・打点王の最有力候補。
☓打撃の波がある。
☓守備・走塁においては貢献度が低い。
☓左投手を苦手としている。


ロビンソン・カノー(31)―マリナーズ
◯頑丈でフルシーズンを通しての活躍が期待できる。
◯守備貢献度も高い。
△スプリングトレーニングでは好調も本塁打は0。
☓本拠地が投手有利になるため打撃成績は悪化する可能性が高い。
☓勝負を避けられるケースは多くなりそう。


エイドリアン・ベルトレ(34)―レンジャーズ
◯本拠地が打者に有利。
◯ここ2年は大きな怪我がなく過ごせている。
☓チュー、フィルダーの加入により打撃成績に好影響の可能性あり。
☓かつては最高峰を誇った守備に衰えの兆候がある。
☓年齢的な衰え。


プリンス・フィルダー(29)―レンジャーズ
◯本拠地が打者有利になったことで好影響に期待できる。
◯頑丈でフルシーズン出場できる。
☓昨季はキャリアワーストに近い成績で出塁率も大幅に低下。
☓守備・走塁での貢献度は皆無。


エバン・ロンゴリア(28)―レイズ
◯リーダーシップ、攻守など打撃以外での貢献度も高い。
☓昨季は32本塁打を放った反面OPSは初めて.850を割り込み三振も大幅に増加。
☓近年は怪我で離脱することも多い。


ジャコビー・エルズベリー(30)―ヤンキース
◯本拠地が左打者に有利で再び長打が増える可能性がある。
◯走攻守すべてで貢献できる。
△禁断の移籍のためプレッシャーは非常に大きい。
☓怪我が多くフルシーズン出場できる可能性は低い。
☓スプリングトレーニングでは不調。


ジェイソン・キプニス(26)―インディアンス
◯スプリングトレーニングでは好調。
◯年々進化しており今季は3割20本30盗塁を期待できる。
☓何らかのタイトルを獲得する可能性は低い。